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自動化建機が見出した月に拠点建設の可能性

JAXAと鹿島が共同研究の成果を実演
自動化建機が見出した月に拠点建設の可能性

自動化された油圧ショベルとキャリアダンプが連動して稼働

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と鹿島は28日、同社の「西湘実験フィールド」(神奈川県小田原市)で、無人による月の拠点建設を想定した自動化建機2機種を実演した。地球に見立てた操作室から作業者が事前に策定した作業手順を遠隔指示すると、油圧ショベルとキャリアダンプが連動して掘削、積み込み、運搬、埋め戻し作業を自動施工した。

 「宇宙探査イノベーションハブ」の共同研究課題「遠隔操作と自動制御の協調による遠隔施工システムの実現」の成果の一部を披露した。建機には車体方向・位置を計測する機器、自動走行制御装置を搭載、遠隔操作と自動運転の双方に対応できる。繰り返し・定型作業、指定した地点間の移動・走行は自動で、細かい調整が必要な作業は遠隔で作業し、月で無人による有人建設拠点の実現可能性を見いだした。

 久保田孝JAXA宇宙探査イノベーションハブ長は「月では砂を掘る掘削作業が重要。掘削の自動化は無人でつくる拠点建設の第一歩になる」と述べた。

 今後、両者は課題を解決するため共同研究を継続する方針。
日刊工業新聞2019年3月29日

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