「景気の山」いつ迎える? エコノミスト予想割れる

日本経済研究センターが調査

 国内景気が転換点(景気の山)を迎える時期について、エコノミストの意見が割れている。東京五輪・パラリンピックが開かれる「2020年の7―9月期頃」との見方が多い一方、消費税率10%への引き上げ前の「19年7―9月期頃」、18年夏の自然災害による影響を脱した「18年10―12月頃」とする予想も目立つ。

懸念晴れず


 政府は3月の月例経済報告で景気の総括判断を引き下げたが、基調については「緩やかに回復している」を維持し、「景気回復が途切れたとの認識はない」(茂木敏充経済再生担当相)。だが、米中貿易摩擦や中国経済などの動向次第では、景気が後退局面入りする懸念は払拭(ふっしょく)できない。
 
 日本経済研究センターはエコノミスト39人を対象に、日本の景気の転換点がいつになるかについての予想を四半期ベースで聞いた。それによると、少なくとも20年度までは景気の回復基調が続くと見る「21年4―6月以降」と並び、東京五輪が開かれる「20年の7―9月期頃」とする回答が9人を占めて最も多い。次いで「19年7―9月期頃」「18年10―12月頃」の順。ともに5人を占める。

20年7―9月期


 20年の7―9月期頃を景気の山と見る背景には、政府が実施を予定する消費増税対策は期限付きのものが多く、「対策の効果が一巡する時期が五輪終了と重なり、景気の落ち込みを増幅するリスクがある」(エコノミスト)との指摘がある。

 19年7―9月期頃とする見方については、国内総生産(GDP)の6割を占める消費が、家計所得の改善や消費増税を見据えて需要が増えることで、19年度上期までは増加するものの、下期は反動減で減少するとの予測がある。

戦後最長は…


 18年10―12月頃では、18年夏に相次いだ自然災害からの戻りが力強さに欠け、GDPに対する外需の寄与度が3四半期連続でマイナスだった状況を踏まえたと見られる。1月の景気動向指数で、基調判断を景気の後退局面入りを示唆する「下方への局面変化」に引き下げたことも材料の一つになっていそうだ。

 12年12月に始まった“アベノミクス景気”は19年1月で74カ月となり、いざなみ景気(73カ月)を超える。さえない経済指標が相次ぐ中、政府は「戦後最長を更新した可能性がある認識に変わりがない」(茂木再生相)とあらためて強調した。ただ18年10―12月頃が景気の山だった場合、それは幻に終わる可能性がある。

日刊工業新聞2019年3月26日

  

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