原料はパルプ、軽くて強い“脱プラ”新素材

北越コーポが開発、CNF・炭素繊維配合

 北越コーポレーションは、紙と同じパルプが原料でありながらポリカーボネートと同等の強度と軽さを実現した素材を開発した。セルロースナノファイバー(CNF)に少量の炭素繊維を配合し、変形を抑えて耐久性も持たせた。石油由来資源でできた容器などの代替素材としての採用を見込む。すでに量産準備を整えており、“脱プラスチック”素材として幅広く提案する。

 北越コーポレーションは、精製パルプでつくった原料紙を塩化亜鉛溶液で処理して積層するシート素材「バルカナイズドファイバー」を製造している。この素材は、セルロース繊維をCNFで接着した強固な構造となっており、強度や耐熱性に優れる。

 今回、CNFに炭素繊維を混ぜて処理、積層する技術を確立した。炭素繊維によって強度を保ちながら内部に微小な空間を設け、従来比2割軽量化できた。湿度による素材の伸縮も防ぎ、環境変化にも強い。

 日本で同社だけが製造するバルカナイズドファイバーは、電子部品の絶縁用途や容器に使われている。次世代素材といわれるCNFと炭素繊維を実用化した新素材は強度、軽さ、環境変化の耐久性を生かし、より幅広い用途に展開できる。

 海を汚染するプラスチックゴミが国際問題化し、使い捨てプラスチック製品の削減や代替素材が求められている。北越コーポの新素材は切断や切削、曲げもでき、加工もしやすい。プラスチック製品の代替として採用されると、石油資源の使用を大幅に削減できる。

新素材でつくった靴べら

日刊工業新聞2019年3月25日

松木 喬

松木 喬
03月25日
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なるべくプラスチックの使用・廃棄を減らす「脱プラ」の機運があり、バイオマス素材が脚光を浴びています。これまでバイオマス素材は開発どまりでしたが、製品を売っている企業が気にしているので、素材メーカーにとっては用途開拓、実用化のチャンスが広がっています。セルロースナノファイバーの実用化、普及も早そうです。
                 

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