右肩下がりの工作機械受注も「キャンセルまでには至っていない」

2月は25カ月ぶり1100億円割れ

 日本工作機械工業会(日工会)が11日まとめた工作機械の2月受注実績(速報値)は、前年同月比29・3%減の1097億4400万円となり、5カ月連続で減少した。好不調ラインの1000億円が間近だ。1100億円割れは25カ月ぶり。世界情勢の不確定さが増し、設備投資の見送りが広がっている。

 内需は同28・4%減の416億7100万円で3カ月連続で減少した。450億円を下回るのは24カ月ぶりだ。先行きの不透明感からくる様子見や、国による設備投資支援の補助金制度の活用を見越した、一時的な投資見送りがある。外需は同29・8%減の680億7300万円で5カ月連続の減少。700億円割れは25カ月ぶりとなった。

 米中貿易摩擦に加え、英国の欧州連合(EU)離脱、米国の株安など世界情勢の先行きは予想がますます困難だ。各社受注残を多く抱えるが、現時点で「キャンセルまでには至っていない」(オークマ)という。
                      

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投資判断に慎重さ増す


 日刊工業新聞社が11日まとめた工作機械主要7社の2月の工作機械受注実績は、前年同月比10・7%減の369億9700万円だった。400億円割れは3カ月連続となる。2018年暦年の月平均約437億円との差は大きい。国内は同22・2%減の146億500万円だった。米中貿易摩擦をきっかけに、中小企業だけでなく、大手企業の投資判断にも慎重さが増した。

 合計が増加したのは牧野フライス製作所とOKKの2社のみだった。牧野フライス製作所は輸出の増加が全体を押し上げたが、前年同月の輸出は過去1年間で最低の水準で、今回は反動増だった。OKKは米国で自動車向けの大口受注をまとめた。

 車向けは底堅さがあり、ジェイテクトや三菱重工工作機械(滋賀県栗東市)も大口案件があった。

 一方、「車、半導体向けが目立って良いという昨年の状況は変わった」(オークママーケティング室)との声もある。さらに「大手・中堅の投資決定の結論が延びている」(同)と投資判断の先送りが広がる。

 中国は春節後の状況が先々の動向の目安とされる。ツガミは春節を過ぎて「大口のスポット受注があったわけではないが堅調だった」(IR・広報課)と想定を上回った。ただ、不透明な状況に変わりなく、先行きの判断は時期尚早との態度だ。

日刊工業新聞2019年3月12日

  

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