ルネサスだけじゃない!半導体・電子部品の減産ドミノは大丈夫?

「先頭がブレーキをかけると最後は渋滞に」

 中国の景気減速の影響が鮮明になってきた。半導体大手のルネサスエレクトロニクスは工作機械や家電向けの半導体出荷が落ち込んでいくことから、国内9工場の操業を最大2カ月間停止する。今後、投資計画の延期などにつながった場合には半導体製造装置や電子部品各社にも余波が広がる可能性がある。巨大市場の中国の減速は各社にとって大きな痛手で、さらに停滞が続けば事業戦略の大幅な転換を迫られそうだ。

 ルネサスが操業停止を検討しているのは、那珂事業所(茨城県ひたちなか市)などの国内主要拠点。4月下旬から始まる大型連休と8月の夏休み期間にそれぞれ1カ月ずつ止めるもよう。

 こうした動きは、半導体製造装置メーカーにとって運用関連サービスなどの減少につながる恐れがある。だが装置メーカーにとっては、工場の停止よりも投資計画が延長された場合の方が業績に与える影響が大きい。半導体メーカーの今後の投資計画が注目される。

 一方、電子部品業界では顧客の在庫調整による余波が出始めている。ある電子デバイス商社の幹部は自動車の渋滞に例えて、「先頭がブレーキをかけると(後方は)徐々にスピードダウンして、最後は渋滞してしまう」と嘆く。また、他の電気機器メーカー幹部も「電子部品などの在庫をまだ調整しきれていない。2018年度内は(調整が)続きそうだ」と指摘する。

 とはいえ、電子部品大手各社は春の皇位継承に伴う10連休についてほぼ例年通りの稼働を予定しており、これまでに生産停止などの大きな動きはみられていない。

 再び好転するかどうかの一つのカギは、スマートフォンの買い替え期間の長期化や中国市場の減速などを主因としたスマホ市場の停滞感の払拭(ふっしょく)にある。韓国サムスン電子や中国の華為技術(ファーウェイ)が画面を折り畳める機種や第5世代通信(5G)に対応した新機種の投入を19年以降に相次いで予定する。調査会社の米IDCによると19年の世界のスマホ出荷台数見通しは前年比0・8%減の13億9490万台と3年連続の減少となる。これら新機種の投入で需要が喚起されることから、下期(7―12月)は前年同期比2・3%増を見込む。

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日刊工業新聞2019年3月8日

  

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