創価大「10カ年計画」で何をする?

馬場善久学長に聞く

 工学部などを含む8学部10学科、5研究科、2専門職大学院で構成される創価大学は1971年の設立時から国際交流に力を入れてきた。一方で、設置場所の東京都八王子市とその周辺に根ざした活動を通し地域に貢献する。21年の創立50周年に向けた長期計画を進め、さらに21年からの10カ年計画の作成に向けた検討も始まっている。馬場善久学長に今後の展望を聞いた。

 ―国際化に向けた取り組みは。
 「14年に文部科学省の支援事業『スーパーグローバル大学創成支援事業』に採択され、国際交流の取り組みを加速させた。アジアやアフリカなどから多くの留学生を受け入れ全学生数の9%を占めている。今後も、外国人教員の増加や日本人教員の海外への派遣、日本人と留学生が住む国際寮の充実など国際化を進めていく。語学や相手の文化を学び一緒に活動するなどの基盤となる能力を学生に身に付けさせたい」

―研究への取り組みはいかがでしょう。

「プランクトンに廃棄物を分解させ価値がある物質を取り出すといった『プランクトン工学』と、デオキシリボ核酸(DNA)とたんぱく質に続く“生命の第3の鎖”とされている『糖鎖』の研究の二つが他と差別化できるテーマ。優れた研究を全学的に後押していく」

 ―文理融合の取り組みは。
 「統計学やデータサイエンスに関する取り組みを学部横断で行っている。今後は人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、データサイエンスの知識が必要だ。文系と理系の関係なく簡単なプログラムが書けるようなレベルに達するよう学生の教育に取り組みたい」

 ―地域貢献の取り組みを進めていますね。
 「八王子市に多くのプロジェクトを提案している。大学のゼミ活動の一環として、認知症予防のアプリケーション開発の企業への提案や心肺蘇生法を学べるカードゲームの作成など実地に学ぶ機会を得られる。学びが実践につながるというメリットは大きい」

【略歴】ばば・よしひさ 75年(昭50)創価大経卒。84年米カリフォルニア大サンディエゴ校院経博士課程修了、85年創価大講師、86年助教授、94年教授、05年副学長。13年より現職。博士(経済学)。富山県出身、65歳。


【記者の目】
 創価大学では国際化のための教育を進めると同時に、地域に根ざした社会貢献を行ってきた。国際化とともに地域創生が叫ばれる現在の日本では、こうした取り組みはますます重要になるだろう。学生が海外に出て国内外の大きなネットワークを構築する仕組みはこれからの日本の大学の成功モデルとなるかもしれない。
(日刊工業新聞・冨井哲雄)
馬場善久氏


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日刊工業新聞2019年3月7日

  

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