「ロボット人事班」を設立する日本生命、RPA改革のすごさ

 日本生命保険は7日、東京・丸の内の本社で、少し風変わりな表彰式を開いた。社長の清水博が表彰したのは、定型のデスクワークを自動化してくれるロボットたちだ。産業界ではソフトウエアロボットによる業務自動化(RPA)の導入がここ数年で一気に進んだ。同社は現在、顧客サービスや資産運用を中心に180の業務で200のロボを配備、事務作業の削減量は年間7万時間に及ぶという。

 日本生命の特別勘定運用部。ここで投資信託の発注業務を担うロボに、清水は「最優秀賞」を贈った。

 同部はこれまで職員が手作業で行っていた投信の発注業務を見直し、購入プランの確認と発注、前日発注分の確認、取引内容確認の三つに分割。それぞれをロボに任せることで、作業の90%を自動化した。これで年間500時間を削減し、作業ミスはゼロになったという。

 さらに発注の締め切り時間に追われる業務が減ったことで、担当者の心的負担も軽減。捻出した時間は運用の高度化など付加価値のある仕事に振り向けている。

専門の人事班


 「ロボの導入を加速する中で、常に正しい作業をさせることが重要になる」。取締役専務執行役員の矢部剛はこう説明する。ロボのメンテナンスや管理などを一括で担う専門部署「ロボット人事班」を4月に設立する計画だ。ロボは管理が行き届かないと指示以外のデータを引用するなどし、誤った作業をする恐れがある。ロボの実体はソフトウエアだが人事班はそれぞれに名前を付けながら稼働業況をモニタリングすることで、管理者不在の「野良ロボ」を防ぐ。

 日本生命はシステム子会社と共同でロボ開発を本格化する。しかし、矢部は「ロボを適用できた業務は2割程度ではないか」と述べ、2019年度は200のロボを開発する計画を明かす。ロボと人工知能(AI)や光学式文字読み取り装置(OCR)を組み合わせて高度化するほか、職員向けのRPA教育も充実させる方針だ。
(敬称略)

日刊工業新聞2019年3月8日

  

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