“ロボット漫才”は集客に貢献できる?

JR東京駅構内の店舗で実演開始

 ロボットも働き方改革に挑む―。富士通のコミュニケーションロボット「ロボピン」2体が、JR東京駅構内の店舗「のものグランスタ丸の内店」で食品販売の実演を始めた。2体のロボピンが掛け合い漫才をしながら、行き交う来店者に話しかけ、デジタルサイネージ(電子看板)に商品や産地の映像を映し、商品の魅力を伝える。「実店舗でロボットが商品を映像で見せて販売につなげ、効果測定まで行うのは業界初」(富士通の担当者)という。

 ジェイアール東日本商事(東京都渋谷区)と鉄道会館(同千代田区)が富士通の協力を受け、4月23日までの約2カ月にわたって実証実験を行う。デジタルサイネージの上部にはカメラがあり、時系列で集客数と該当商品の販売数、売り上げとの相関関係を分析する。集客数や売り上げ動向などから実演の効果を検証する。

 いまやデジタルサイネージを置く店は珍しくないが、足を止めて見てくれる人はまだ少ない。ロボットを置けば足止め効果にはなるが、現状のロボットでは人との一対一の意思疎通はまだスムーズにいかないのが実情だ。そこで今回はロボット2体を配置し、掛け合い漫才のような楽しい演出を工夫した。

 羽根をパタパタさせながら来店者に「甘い物が好きか」とのロボピンの問いに来店者がマイクを通して答えると、あらかじめ用意してあるお勧め商品のコンテンツをデジタルサイネージ上に表示する。たわいもないやりとりだが、「人間にはできないことをロボットにやらせる」という狙いがある。

 人の仕事をロボットに代替させて作業を効率化するのは一般的だが、今回はそうではない。例えば行き交う人に「昼ご飯を食べましたか」と販売員が尋ねるのは違和感があるが、ロボットならば答えやすい。「食べてない」という返答があれば「レストランを紹介しましょう」という流れになる。

 ロボピンは体全体を使ったダイナミックな動きと、顔の発光ダイオード(LED)の色と連動した感情の表現が特徴。これまでの用途は受け付けでの応対やイベントでのプレゼンテーションが中心だった。今回の実演で効果が確認されれば店舗へと活躍の場が広がる。

日刊工業新聞2019年3月5日

  

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