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スマホと電子地域通貨で納税

岐阜・飛騨市の「さるぼぼコイン」で4月から開始
 アイリッジは20日、岐阜県の飛騨高山地域を対象とする電子地域通貨「さるぼぼコイン」で、飛騨市の市税をスマートフォンで支払えるサービス(写真)を4月から始めると発表した。支払いのために市役所やコンビニエンスストア、金融機関に出向く必要がなくなり利便性を高める。

 送付された納付書のバーコードをスマホのアプリケーションで読み取るだけ支払いが完了する仕組みで、全国で初めての取り組みという。住民税、固定資産税、軽自動車税のほか、国民健康保険料や水道料金なども対象。

 さるぼぼコインは、アイリッジの子会社フィノバレーと飛騨信用組合(岐阜県高山市)が展開する電子地域通貨。お金の地産地消を促進する目的で、2017年末から商用化した。18年10月からは飛騨市と連携し、市役所の窓口手数料の支払いに使えるようにした。

日刊工業新聞2019年2月21日


電気料金の支払いも可能


 アイリッジは12月から、地域金融機関、新電力会社と共同で、電子地域通貨で決済ができる電力プランを提供する。第1弾として、岐阜県高山市と飛騨市で利用できる電子地域通貨「さるぼぼコイン」で決済できる新電力プランを3日から提供する。電気料金の支払いを電子地域通貨でできるのは日本で初めての試みという。生活に欠かせない電気料金の決済も可能とし、地域電子通貨の利用シーンを拡大する。

 アイリッジの子会社でフィンテック事業を展開するフィノバレー(東京都港区)、飛騨信用金庫(岐阜県高山市)、イーネットワークシステムズ(東京都目黒区)は29日、さるぼぼコイン活性化に向け業務提携を締結した。

 新プランでは電子地域通貨の決済により、最大9%分のさるぼぼコインが付与される。飛騨高山地域は1、2月の月間平均気温が氷点下を記録する一方で、夏は盆地の影響で真夏日になることが多く、大人2人の場合、月間電気代(契約電流30アンぺア)は月間9000円近くなる。電子決済によるポイント付与で年間2000円強の節約につなげられる。2019年10月までに2000件の申し込みを見込む。

 今後は一般家庭向けだけではなく、加盟店向けの電気料金支払いに対応するなど、サービス範囲拡大を目指す。

 さるぼぼコインは、スマートフォンのアプリケーション上で利用できる電子地域通貨。2次元コード「QRコード」をアプリで読み取ることで、キャッシュレス決済ができる。今月時点の加盟店は800以上。

日刊工業新聞2018年11月30日

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