アルプスアルパイン社長「売り上げの相乗効果は4―5年後」

栗山年弘社長に聞く「CASEの領域を共同で生み出したい」

 ―アルプス電気とアルパインが経営統合し、1月1日付で新会社「アルプスアルパイン」となりました。
 「アルプス電気とアルパインという独立した二つの上場会社が一つとなることで、自動車産業で100年に一度の大変革期とされる時代に、運命共同体となって競争に勝ち抜くと決意した。当初は純粋持ち株会社体制を予定していたが、それでは二つの法人がぶら下がり、“法人の壁”ができてしまう。壁を取り払おうとカンパニー制による事業持ち株会社体制でいくことにした」

 ―アルパインを完全子会社化した意味は。
 「上場独立会社であるため、共同開発するにしても案件ごとに業務提携契約を結ぶ必要があった。だが、スピードが要求される時代にそれでは出遅れてしまう。そういう制約を全て取り払う必要があった」

 ―新会社では「T型企業」への進化を目指しています。
 「アルプス電気はハードウエア主体で、要素技術や機能デバイスを縦に深く掘り下げる『縦のI型企業』。アルパインはシステムインテグレーターとしてソフトウエア開発や各種機能部品などを集めてシステムとして組み上げる『横のI型企業』だ。この二つのIを組み合わせて『T型企業』となることで、革新的な新製品を生み出したい」

 ―具体的には。
 「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の領域を共同で生み出したい。ハードウエアとソフトウエアを融合した機能デバイスを強化するためにアルパインの力が必要になる。アルパインにとってもキーデバイスを中身に持つシステムは競争力がある。また、入力系に強いアルプス電気と音や映像など出力系に強いアルパインの融合でプレミアムヒューマンマシンインターフェース(HMI)領域にも力を入れる」

 ―2024年度を最終年度とする第2次中期経営計画に売上高1兆円を目指します。
 「相乗効果が出て売り上げに反映されるのは4―5年後。それまでは着実に開発力を強め、効率化を進める」

【記者の目】
 グループ全体で連結売上高の約65%を車載ビジネスが占める。だが、栗山年弘社長は「車だけの一本足打法にはせず、他も伸ばす」とする。スマートフォン市場の減速でスマホへの期待感は薄いが、栗山社長はIoT(モノのインターネット)のゲートウエーデバイスには期待している。車載・IoT発展に向けて手腕が問われる。
(文=山谷逸平)
「“法人の壁”を取り払おうと事業持ち株会社に」と栗山社長

日刊工業新聞2019年2月11日

  

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