ホンダ「ASIMO」じゃないロボットが大活躍!

自動化で生産技術をリードする「OGAWA」と「YORII」の工場の中身とは?

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オイルポンプの取り付けにロボットを導入した(小川工場)
 ホンダのエンジンを生産する小川工場(埼玉県小川町)、小型車を生産する寄居工場(同寄居町)。小川工場は2009年に、寄居工場は13年に稼働したばかり。最新の生産技術がふんだんに盛り込まれ、新たな技術を生み出している。特にロボットを駆使した自動化はグローバル生産をリードする。ホンダの国内最新工場の自動化に迫る。

 【ロボットで作業品質を均質化】

 4輪車用エンジンを生産する小川工場は、計70台近くのロボットが活躍する。特に目立つのが組み立て工程でのロボット活用で、ボルト締め付けなどの自動化が進んでいる。組み立ては人の繊細な感覚などが求められることが多く、一般的に自動化の難易度は高い。だが、センサーやプログラミングのノウハウを生かし、着実に自動化率を高めている。

 14年末に新たにロボットを導入したのが、オイルポンプの取り付け作業だ。6軸多関節ロボット、ビジョンセンサー、荷重センサーなどを活用。ビジョンでオイルポンプとエンジン本体の位置関係を検知しながら、ロボットが正確に両者をはめ合わせていく。

 「手作業だとカンやコツが求められる。担当者によって作業品質にばらつきが生じ、また習熟するのにも一定期間が必要」と伊藤理埼玉製作所エンジン工場工場長は自動化の意義を説明する。

 ロボット側にかかる圧力を荷重センサーで測定しながら動作を制御するため、はめ込み隙間の狭い厳しい精度条件もクリアできるという。

 組み立てのほか、主要部品であるシリンダーブロックの鋳造工程でもロボットの活用が増えている。13年には、シリンダーブロック内に鋳込むスリーブの供給を自動化した。カゴ車の中に並べられたスリーブをビジョンセンサーで認識し、6軸多関節ロボットが次々とコンベヤーに載せていく仕組み。作業者はカゴ車をセットさえすればよいため、省人化、負担軽減などにつながっている。

 筒状部品のスリーブは、一定方向を向くように並べないとロボットにつかませづらいのが難点。当初カゴ車内で直立させていたが「すぐ倒れてしまい苦労した」(伊藤工場長)という。このため、カゴ車を微妙に傾けてセットする新たな供給方式を考案。結果、スリーブが安定して並ぶようになった。また、カゴ車に敷くビニールがロボットの動きに干渉する問題もあったが、エアを吹き付けることでこれを解消。こうした細かな工夫により円滑な部品供給を可能にしている。

日刊工業新聞2015年08月04日 深層断面

COMMENT

政年佐貴惠
名古屋支社編集部
記者

日本の拠点には自動化技術を開発して試験導入し、成果が出れば海外生産拠点へ横展開するという役割が求められることが多い。合わせて生産の自動化で「コストが高いから日本では生産できない」ということが減れば、より多様な戦略が生まれて日本の製造業が活性化しそうだ。将来は自動車工場も半導体工場のようにほとんど無人で稼働するなんてことがあるのだろうか。

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