新社長が米国工場長時代に実現したコマツの代名詞
4月1日付で小川啓之取締役専務執行役員が昇格
コマツは31日、4月1日付で小川啓之取締役専務執行役員(57)が社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格する人事を発表した。大橋徹二社長(64)は代表権のある会長に就任する。4月に始動する3カ年の新中期経営計画の実行にあたり、若返りを図る。
小川取締役専務執行役員は米チャタヌガ工場長や茨城工場長を歴任するなど工場勤務が長い。国内外で合理化と増強計画の双方を経験し、需要や為替変動に応じた最適地生産「クロスソーシング」の確立に貢献。同社の強みにした。
小川氏は同日開いた就任会見で「需要の変動幅はますます大きくなる。落ち分をできるだけ小さくし、それに左右されないビジネスを確立することが大切だ」との認識を示し、「モノとコトの両方でイノベーションを起こし価値を上げる」と抱負を語った。大橋社長は小川氏を「世の中は技術・イノベーションによる変化が激しい。これをリードできる人物だ」と評した。
米国の工場長だったころ、建設機械の需要や為替の変動に対する臨機応変な生産体制の整備に奔走した。当時、米国法人のトップだった大橋徹二社長と二人三脚で実現したこのモノづくりの体制はコマツの代名詞となった。それから15年。大橋氏から経営を託された。「打診された時は驚いたが覚悟を決めた」と振り返る。大橋氏と誕生日が同じなのも不思議な縁を感じさせる。
4月から始まる新中期経営計画の策定を任されていたこともあり、次期社長を有力視されていた。生産を知り尽くすとともに修羅場もくぐり抜けている。東日本大震災が発生した際は茨城工場長として「従業員と1週間で再開にこぎつけた」ことは得がたい経験だった。座右の銘である言行一致を経営で体現する。
読書が趣味で、司馬遼太郎の作品を愛読する。
(文=孝志勇輔)
小川取締役専務執行役員は米チャタヌガ工場長や茨城工場長を歴任するなど工場勤務が長い。国内外で合理化と増強計画の双方を経験し、需要や為替変動に応じた最適地生産「クロスソーシング」の確立に貢献。同社の強みにした。
小川氏は同日開いた就任会見で「需要の変動幅はますます大きくなる。落ち分をできるだけ小さくし、それに左右されないビジネスを確立することが大切だ」との認識を示し、「モノとコトの両方でイノベーションを起こし価値を上げる」と抱負を語った。大橋社長は小川氏を「世の中は技術・イノベーションによる変化が激しい。これをリードできる人物だ」と評した。
【略歴】小川啓之氏 85年(昭60)京大院金属加工学修士修了、同年コマツ入社。10年執行役員、16年常務執行役員、18年取締役専務執行役員。大阪府出身。
どんな人?
米国の工場長だったころ、建設機械の需要や為替の変動に対する臨機応変な生産体制の整備に奔走した。当時、米国法人のトップだった大橋徹二社長と二人三脚で実現したこのモノづくりの体制はコマツの代名詞となった。それから15年。大橋氏から経営を託された。「打診された時は驚いたが覚悟を決めた」と振り返る。大橋氏と誕生日が同じなのも不思議な縁を感じさせる。
4月から始まる新中期経営計画の策定を任されていたこともあり、次期社長を有力視されていた。生産を知り尽くすとともに修羅場もくぐり抜けている。東日本大震災が発生した際は茨城工場長として「従業員と1週間で再開にこぎつけた」ことは得がたい経験だった。座右の銘である言行一致を経営で体現する。
読書が趣味で、司馬遼太郎の作品を愛読する。
(文=孝志勇輔)
日刊工業新聞2019年2月1日