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折り畳み式ワゴンのメーカーが産科を救う?

トクヤマが開発した“新生児用ベッド”の強みとは
 トクヤマ(滋賀県甲賀市、徳山哲秀社長、0748・69・5542)は、病院向けに折り畳み式の新生児用ベッド(写真)を考案した。同社が手がける手押しワゴンの折り畳み技術を応用し、特許も出願中。使用時に比べ4分の1程度の大きさに収められ、病院で求められる省スペース化に対応した。複数の産科で試用し実用性を確かめ、年内の発売を目指す。事業拡大に向けOEM(相手先ブランド)供給も検討する。

 同ベッドの通常サイズは横54センチ×縦78・5センチ×高さ95・8センチメートル。折り畳み時は横幅がそのままで縦20センチ×高さ120センチメートルとなる。新生児を乗せる台以外に医療器具などを置ける金属棚を2段設けた。消費税抜きの価格は13万円前後を想定。10年後に年間6000台以上の販売を目指す。

 お産は時期が読みにくく、複数人が重なる時も想定し、産科は予備のベッドを備えている。今回考案したベッドを導入すれば、一定の保管スペースで予備ベッドをより多く置くことが可能になる。

 同社は折り畳み式ワゴンのメーカー。病院や幼稚園、食品業界などに商品展開し、現在の年商は約3億円。「今回の新生児向けベッドをもう一つの事業の柱にしたい」(徳山社長)としている。
日刊工業新聞2019年1月31日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
医療現場で働く人や患者にとって不便なことを解消しようとする企業が、業種を問わず増えているように感じます。とはいえ、病院や医療現場で生かせる技術を持っているのに気付いていないという企業もまだ多いのでしょうか。

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