監視カメラが活躍するのは防犯だけじゃない!

マーケティングや作業効率化などで幅広い活用は見込まれるが・・・

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(画像はイメージ)
**ネット回線を利用
 インターネット回線を利用するネットワークカメラの普及拡大で、監視カメラ市場は堅調に推移してきた。ネットワークカメラは、遠隔地からの画像確認や外部ストレージへの録画を可能としており、従来のアナログカメラと比較して精細な画質と利便性の高さを特長とする。主要な監視カメラメーカーへのヒアリングをベースとした当社推計では、2017年の業務用監視カメラ市場は約109万台、うちネットワークカメラが約73万台と市場の大勢を占める。

 ただし、これまで勢いがあったネットワークカメラも数年前から市場の飽和感が見られ始めており、伸長率としては20年以降に落ち着く見込みで、東京オリンピック・パラリンピック開催後の21年は83万台と予想する。

 19年は、東京五輪関連の施設の需要が見込まれるが、本格的に市場を押し上げる要因までには至らないとみられる。今後は新築需要の拡大ではなく、既設カメラのリニューアル、既存施設への新規導入がポイントとなる。

海外製品の流入


 市場の飽和とともに、業界にも変化が見られている。一つは、中国、韓国などの海外製品の流入である。世界市場では、すでに中国製品が高いシェアを占めるが、日本国内でも低価格を武器に市場シェアが拡大している。従来国内市場は、日系大手メーカーが圧倒的に優位であったが、近年は実績の伸び悩みが顕著で、どちらかと言えば安価な海外製品に勢いがある。

 二つ目は、画像解析技術を利用したソリューションの本格化である。画像解析技術については、大手メーカーなどで古くから取り組みが見られるが、市場の成熟化とともに、ここ数年、主要各社がAIなども活用し、多様なサービス・システムの開発に本腰を入れている。従来の機器販売のみでは、低価格で攻勢をかける海外勢に対抗するのが難しいこともあり、画像解析技術を組み合わせた高付加価値なサービスを提供することで、差別化を図ろうとしている。

新たな活用


 利用シーンについては“防犯”を中心としたセキュリティー用途のみならず、店舗向けのマーケティング用途、工場内の作業効率化と安全対策、鉄道駅におけるホームからの転落防止対策、踏切内・線路内への侵入対策、イベント会場における入退管理など、多用途での展開が見られる。これまでの“セキュリティー”を超えた監視カメラの新たな活用が市場拡大のための重要なキーワードとなっている。

 しかし、画像解析技術を利用したソリューションサービスの実績は現状では小規模に留まる。機能面でユーザーが要望するレベルに達していないケースも多く、今後は、機能や価格ともに充実したサービスの開発、ビジネスモデルの構築が求められる。

◇富士経済大阪マーケティング本部主任 土屋研二氏

日刊工業新聞2019年1月25日

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