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ジンベイザメは“草食系”、海藻など植物性の餌も食べていた

東大などの調査で明らかに
ジンベイザメは“草食系”、海藻など植物性の餌も食べていた

沖縄美ら海水族館で飼育されているジンベエザメ(沖縄美ら島財団提供)

 体長が10メートル以上になる世界最大の魚類ジンベエザメが、海藻など植物性の餌も食べていることが、東京大学や沖縄美ら島財団などの研究グループの調査で分かった。グループは「サメが『草食系』とはやや意外だ」としている。

 研究グループは、中性子の数が異なる窒素などの同位体に着目。食物連鎖で上位の動物ほど重い同位体の比率が高くなることから、体内に含まれる同位体の比率を調べて餌の推定を試みた。グループは漁網に入って捕獲されたジンベエザメ5匹の血液などを採取し、同位体の比率を調査。その結果、重い同位体の比率は、小魚や動物プランクトンのみを餌と想定した場合より低く、海藻など植物性の餌も食べていることが分かった。

 ジンベエザメはおとなしい性格で知られ、これまで小魚や動物プランクトンが主食と考えられていた。研究成果は米科学誌に掲載された。
日刊工業新聞2019年1月21日

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