モデルルームも異例、即日完売した吉祥寺マンションのブランド力

野村不動産の「プラウドシティ吉祥寺」

第1期140戸が即日完売した「プラウドシティ吉祥寺」(完成予想図)
 野村不動産は、東京・吉祥寺で建設中の分譲マンション「プラウドシティ吉祥寺」で、街の魅力を最優先に訴求する販売戦略を打ち出す。最寄り駅からは少し離れるものの、各種調査で「住みたい街」の上位に選ばれる人気の住環境を強調。その上で商業施設や学童施設、認可保育園にバス停といった機能を敷地内に集約した高い利便性をアピールする。第1期140戸は即日完売し、足元の集客も好調を維持している。

吉祥寺ブランド


 プラウドシティ吉祥寺は日本無線の旧三鷹製作所跡地のうち、最も吉祥寺駅に近いA地区で建設が進む。2万6405平方メートルの敷地に計678戸が暮らす街を生み出す一大プロジェクトだ。ここで着目したのが、周辺の街にはない吉祥寺ならではの“ブランド”。建設地近くのモデルルームで営業を担当する井上歩夢さんは「吉祥寺だからこそできる切り口で挑戦することになった」と振り返る。

 実際に、モデルルーム来場者へのアプローチはユニークだ。最初に案内するシアタールームでは、留学生や働く女性ら4人が吉祥寺を巡るショートムービーを上映。井の頭恩賜公園や商業施設、個性的な店などの人気スポットを織り込みつつ、楽しさや暮らしやすさを発見するストーリーで共感を促す。だが、そこに物件の名称は一切登場しない。最前線の販促ツールとしては異例の仕上がりだ。

逸品でもてなす


 上映後も商談には移らず、飲み物とお菓子を楽しんでもらう。提供するのは敷地内に出店するコーヒー専門店や、吉祥寺駅周辺の人気店から厳選した“地元の逸品”。調度品もすべて地元に縁のあるもので統一した。重きを置いたのは「目にするもの、触れるもの全てから吉祥寺を体感していただくこと」(井上さん)。その上で、おもむろに営業担当者が物件の説明を始めるという段取りだ。

 他のモデルルームであれば、来場後はコンセプトや建物の説明に時間を割くのが一般的だ。これに対し「ここではまず、お客さまの『住みやすそう』という漠然とした期待を形にすることにこだわった」(同)。吉祥寺に住む憧れやプラウドの知名度をきっかけに来場した場合でも「早い段階で具体的な話に進んでもらえるような効果が出ている」(同)と、消費者の心をガッチリつかんでいる。

魅力発信に磨き


 第1期は641件の来場者があり、150件の申し込みを獲得した。地元の三鷹市や武蔵野市からの登録者は40%程度にとどまり、残りは近接区のほか、埼玉県や千葉県からの住み替えと幅広い。いずれも「あらゆる世代・あらゆる文化が息づく街」「開園100年を超える緑豊かな井の頭恩賜公園」「大規模複合開発」などを決め手に挙げる。より広域からの来場につなげるべく、吉祥寺の魅力発信にも磨きをかける。
(文=堀田創平)
街を表現した大規模な模型を制作し、周囲のパネルでも人気スポットを紹介する

2019年01月06日

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