“痛くない注射針”量産化をかなえたベンチャー企業の戦略とは?

シンクランドの「マイクロニードル」、大手企業との連携がカギ

 シンクランド(横浜市鶴見区、宮地邦男社長、045・633・4082)は、肌に刺しても痛みを感じない微細な注射針「マイクロニードル」の量産化にめどをつけた。ベンチャーの技術シーズを事業化する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「研究開発型ベンチャー支援事業」の採択を受け、大手企業との連携を進める。

 支援事業によってシンクランドと共同研究するのは、医薬品受託製造のシミックCMO(東京都港区)、化粧品受託生産の日本コルマー(大阪市中央区)、医療機器製造のミサワ医科工業(茨城県笠間市)。ベンチャー1社では時間がかかる医療や化粧品などの許認可の問題を早期に解決し、2020年を目標にマイクロニードルの生産を始める。

 シンクランドはマイクロニードルの開発を終えており、企業連携により化粧品として20年ごろ、糖尿病のインスリン治療用の注射針など医療機器として23年をめどに生産する。

 シンクランドの及川陽一取締役CTOは「いち早く製品を世に投入するため大手企業と組む。マイクロニードルで世の中に貢献したい」と意気込みを語る。

 シンクランドは千葉大学大学院の尾松孝茂教授の光渦レーザー加工技術を使い、直径100マイクロメートル(マイクロは100万分の1)×長さ400マイクロメートルの微細な針25本をシート状に集めたマイクロニードルを開発した。

 中空の針穴から薬液を経皮投薬する。生体に溶ける水溶性の材料を使い、仮に針が折れても体内に吸収されるため高い安全性を誇り、自宅での廃棄も可能になるという。

日刊工業新聞2018年12月20日

  

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