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車用シートの廃材がバッグに変身!

湯沢AIが一般消費者向けの生活用品を試作、自社ブランド化を目指す理由は?
車用シートの廃材がバッグに変身!

試作したスリッパや小物入れ

 湯沢AI(群馬県大泉町、湯沢知章社長、0276・20・4711)は、自動車用シート素材を使った生活用品の試作に乗り出した。主力の自動車産業向けに加えて、バッグやスリッパといった一般消費者向けの商品を製造、自社のウェブサイトで販売することによって、収益源の多様化を図る。今後、デザインなどの改良に取り組み、2年後をめどに自社ブランド商品として本格展開を目指す。

 湯沢AIは自動車業界向けの内外装品の裁断・縫製加工やプラスチック製品の製造・組み立てが主力事業。縫製部品として手がけているヘッドレストなどの製造では、材料の合皮の一部を廃棄するケースがある。

 新規事業である生活用品の企画、開発を始めたのは、社内での縫製技術とこうした廃棄処分している材料を有効活用するのが目的。自社商品を開発することで収益性の向上につなげる狙いもある。

 撥水(はっすい)性や耐久性に優れる特性を生かし、バッグやリュック、小物入れ、スリッパなどの生活用品の試作に取り組んでいる。今後は、主要な顧客層として想定している女性の嗜好(しこう)に合わせた色の採用を検討するほか、ファスナーを装着して機能性を高めるなど、試作品の改良を進めていく。

 さらにデザイン性を高めて販売拡大につなげるため、群馬県桐生市の特産である絹織物「桐生織り」の採用を検討する。

 桐生織りの生地メーカーとの協業を通じて、「群馬ならではの商品として売り出したい」(湯沢社長)と話している。
日刊工業新聞2018年12月12日

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