宝飾業界の倒産がまだまだ増える事情

  • 1
  • 4
 コミヤの創業は終戦直後の1946年。創業者の小宮好雄氏が小宮鎖製作所として貴金属品製造卸業を始めた。地金を自社オリジナルデザインに加工し、ダイヤモンドをあしらった宝飾品を主に展開。その後は自社工場を有さず、商品生産に関してはフィリピンの関連会社の工場などにすべて外注化するファブレスメーカーとして、最盛期のバブル時代には140億円を超える年商を上げていた。

 だが、当時から原石の仕入れなどで50億円にのぼる借入金があった。また、当時大口の取引先だったココ山岡宝飾店グループが97年に経営破綻したことで、多額の不良債権を抱えた。その後、業界内で強引な営業手法などが社会問題化。その影響で業況が低迷するなかでも、シンジケートローンの組み直しなどで対応したものの、借り入れ負担が経営を圧迫。売り上げも大幅に縮小し薄利が続いた。

 そうした中、2013年には帳簿上あるはずの数億円規模の在庫商品が、実は存在していないという事実が発覚。ずさんな管理体制が原因だったと言われているが、財務内容は一層悪化することになった。

 世界全体の貴金属・宝石類の需要が中国の消費鈍化により下落したことで業界不況が深刻化するなか、18年3月期の年商は約7億円とピーク時の20分の1近くに低下。年商規模の借入金は依然として経営を逼迫(ひっぱく)させ、金融機関へのリスケ要請でしのいでいた。

 だが、取引業者への支払いも遅れ6月には事業停止を余儀なくされた。事業譲渡も模索していたが、引受先は現れなかった。事業停止から約4カ月後の10月、東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 ここ1―2年、宝飾業界では国内業者の倒産が目立ちはじめた。また、インドなどの海外業者でも業況悪化や不透明取引の話が増えている。市況が悪化する中で、取引するにあたっては注目したい業界だ。
(文=帝国データバンク情報部)
◇(株)コミヤ
住所:東京都台東区東上野1―26―2
代表:小宮光雄氏
資本金:8800万円
年売上高:約7億7800万円(18年3月期)
負債:約9億6200万円

日刊工業新聞2018年12月11日

関連する記事はこちら

特集