感覚が過敏な人は抑え、鈍い人に増強する「触覚ネイルチップ」

「一流の人の触覚を体験できれば職人技を承継しやすく」

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触覚ネイルチップ(写真、名古屋工大提供)
 視覚には眼鏡、聴覚には補聴器があるように触覚にも機能を補う補装具が必要だ。野球選手や金型職人など、一流のプロは指先の感覚で球の回転やわずかな凹凸を感じ取る。ただ年齢とともに感覚は変化する。「触覚メガネ」が実現すれば活躍の幅が広がるはずだ。

 名古屋工業大学の田中由浩准教授は、付け爪のように手軽に触覚を補強する触覚ネイルチップを開発する。触覚は爪の根元のセンサーで検知する。爪を振動が伝わり、その強弱などの変化を感じている。そこで爪をチップで曲げたり伸ばしたりして、振動の伝わり方を調整する。研究室では抑制と増強の両方とも成功した。感覚が過敏な人には抑え、鈍くなったら増強することが可能になる。

 触覚は人それぞれ感じ方が違う。スベスベやザラザラ、刺激の種類によっても感度が変わる。田中准教授は「実は同じモノを触っても同じように感じているとは限らない」と指摘する。研究は眼鏡がレンズを調整するよう触覚を狙った感度にあわせることが目標だ。「一流の人の触覚を体験できれば職人技を承継しやすくなる」。

日刊工業新聞2018年12月7日

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