防衛省が多目的自律走行ロボット研究、PKO偵察活動など想定

 防衛省は、多目的自律走行ロボット技術の研究に乗り出す。国連平和維持活動(PKO)における偵察・警戒任務や、豪雨や地震災害における救助活動の利用などを想定。民間の自動運転車両に用いられるセンサー類を組み合わせてトラックやクローラー(無限軌道)車両に搭載し、自律走行ソフトウエアで周辺環境を認識して経路計画を行う、走るロボットを開発。センサーやアルゴリズム技術の改良、人工知能(AI)の機械学習などと合わせ、2021年度まで研究する予定だ。

 自衛隊が使用する自律走行ロボット車両は、高速道路などで走行実験している自動車メーカーの車両とは相違点が多い。

 民間の車が走るのは全地球測位システム(GPS)データや周辺の建物データが整った道路上が前提。自衛隊のロボット車両が走るのは、地図や地形データが整っていない場所のため、カメラやセンサーの情報を基に自力で分析し、進行経路などを決める必要がある。

 試作車両はNECを通じて完成している。車輪を採用した装輪車両と、無限軌道を採用した装軌車両の2種類あり、いずれも可視光カメラと2次元・3次元レーザーレーダー、ミリ波センサー、接触センサーを搭載。行き先に歩行者や車両などの移動障害物がある場合、移動方向を予測して回避行動が取れるのを確認済みという。

 自動運転にすることで、危険地帯に隊員を送るリスクを軽減できる。自動運転技術やセンサー技術は進展が非常に速いため、引き続き最新技術を取り入れて性能を向上させる。

 機械学習では不整地走行データなどをAIに覚え込ませ、地面の勾配や荒れ具合がどの程度までなら走行できるかなどを判断できるようにする。

日刊工業新聞2018年11月23日

  

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