フォードが車載電池工場検討、DHLなどと共同で

 米フォードモーターや国際輸送大手のドイツポストDHLグループなどが共同で、車載用リチウムイオン二次電池(LIB)工場の建設を検討していることが分かった。独ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州などを候補地に2022年度までの工場稼働を計画する。総投資額は約10億ユーロ(約1288億円)になる見込み。年間生産量は4ギガワット(ギガは10億)時で、電気自動車(EV)向けLIBを製造するとみられる。

 フォードやDHLグループ、独e・GO(イーゴー)モバイルなどが企業連合を結成し、新工場建設に向けた投資計画を進めている。新工場で生産するLIBは自動車に搭載する見込み。すでにフォードはDHLグループが開発した小型商用EV「ストリートスクーター」の製造を欧州フォードの工場(独ケルン市)で量産すると10月に発表。イーゴーも米テスラより安い大衆EVの19年投入を計画するなど、各社の電池需要は高まっている。

 フォードなどは大量の電池やコスト低減が必要と判断し企業連合による投資を計画する。ただ欧州では企業連合によるLIBへの投資は資金難などで断念するケースがあり、関係者によると「構成はまだ最終決定していない」という。今後も引き続き他の企業の参画を募り、詳細を詰める。

 候補地とされるNRW州は500キロメートル圏内に自動車産業が集積し、地理的な利便性が高い。特に内燃機関の部品ではなく、電装部品などの部品メーカーが拠点を持つ。フォードは最新のエンジン工場(同)を構えているが、人員削減など構造改革を進めつつEVシフトを加速している。同州も電池メーカーなどEV関連の産業誘致を進めている。敷地面積が205万平方メートルの大規模な工場用地を設け、アジアの電池メーカーとも協議している。

 中国がLIBで世界市場の過半を占める中、フォードなどは企業連合による量産効果でコスト低減を推進する。

日刊工業新聞2018年11月15日

  

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