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大手ゼネコンの「工事採算性」が低下、最も悪化した鹿島はそれでもトップ

4―9月期は3社が営業減益
大手ゼネコンの「工事採算性」が低下、最も悪化した鹿島はそれでもトップ

写真はイメージ

 ゼネコン4社の4―9月期連結決算が出そろい3社が営業減益となった。工事の採算性を示す完成工事総利益率(単体)が若干低下した。ただ、各社とも豊富な手持ち工事を消化して全社が増収。資材費や労務費も想定の範囲内に収まるなど、引き続き良好な外部環境が続く。

 13日に発表した鹿島は国内の大型工事が少なくなり、建設事業の売上総利益が減少したのが響いた。唯一、営業増益の大林組は子会社を含む海外事業の伸長などで5期連続で最高益を更新した。

 完成工事総利益率(単体)は鹿島が13・7%(前年同期比4・4ポイント減)でトップ。大林組が12・9%で前年同期に比べ横ばい。大成建設が12・3%(同2・1ポイント減)、清水建設が12・0%(同0・7ポイント減)の順で、2ケタ台の高水準を確保している。

 19年3月期連結業績予想は大林組、清水建設の2社が営業増益を見込む。鹿島は「下期に建築の売上総利益率が上がる」(内田顕取締役)とみて、営業利益を5月時点から120億円上方修正。大成建設は土木事業を中心に利益率の好転を見込み、営業利益を5月時点から60億円上方修正した。労務費については「今は安定している。来期は工事がピークとなり上昇が懸念される」(同)と警戒する。
                
日刊工業新聞2018年11月14日

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