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ブームなき「ボージョレ」解禁、工夫凝らすワイン各社

輸入数量は40万5000ケース
ブームなき「ボージョレ」解禁、工夫凝らすワイン各社

女性醸造家がボージョレ・ヌーヴォーを日本人向けに監修

 ワインの新酒「ボージョレ・ヌーヴォー」が15日に2018年の解禁日を迎える。18年の輸入数量は約40万5000ケース(1ケースは750ミリリットル×12本換算)と見込まれ、前年比約13%減となる。かつてのブームに比べて関心が薄れた感もあるが、依然としてその年の新酒を楽しむニーズがあることから、関係各社は工夫を凝らしてPRしている。

 ボージョレ・ヌーヴォーはフランス・ブルゴーニュ地方ボージョレ地区で、その年に収穫したブドウを使って醸造した新酒。毎年、11月の第3木曜日が解禁日になっている。

 メルシャンはフランス産新酒「アルベール・ビショーボージョレ・ヌーヴォー」で酸化防止剤無添加とオーガニックをそれぞれ新アイテムとして追加する。健康志向の高まりを踏まえラインアップを拡充する。

 サントリーワインインターナショナルは催事として「ボージョレーヌーヴォーパーティ(ボジョパ)」を16年から提案している。18年の新商品としては、フランス産新酒「ジョルジュ デュブッフ」ブランドのロゼワインでハーフサイズを投入する。またデザート感覚で楽しめる甘い味わいの「同 スイーツパーティ ヌーヴォー」を発売する。

 アサヒビールはフランス産新酒としてアンリ・フェッシの14アイテムを発売する。このうち日本限定6000本の「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォ“マリオン”」をギフトボックス入りで発売する。また、タレントの小倉優子さんをボージョレ・ヌーヴォ・アンバサダーに起用し、ワインに合うオススメ料理とともにPRしている。
 
 サッポロビールは日本人向けにブレンドを監修した「アガミー ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー ポーボトル2018」を発売する。同社醸造家の久野靖子氏が現地で監修した。食事を引き立てる酸味と渋みのバランスなどが特徴という。
(文=井上雅太郎)

日刊工業新聞2018年11月14日


「チリ産」ワインは輸入最大


 チリ産ワインが人気だ。東京税関がボトルワインの輸入について調べたところ、2017年のチリ産ワインの輸入量は、前年比9・9%増の5万5519キロリットルと、比較可能な88年以降、同国産ワインの輸入量として過去最大になった。輸入量全体に占める割合も31・0%と、3年連続でトップ。関係業界によると、人気の背景には「品質が良い割に比較的安価に買い求められる」などの理由があるようだ。

 チリ産ワインの輸入量は、日本で「ボージョレ・ヌーヴォー」などでなじみが深いフランス産ワインを3年連続で上回った。過去10年で大幅に伸びた形。輸入量全体に占める割合について、07年は8・8%にとどまっていた。輸入量2位のフランス産は07年に44・2%を占めたが、17年は25・4%にまで低下。関係業界は「チリ国内の醸造技術が向上し、品質が良くなっている」「日チリ経済連携協定により関税率が低い」といった事情もチリ産人気の一因と見る。

 日本のボトルワインの輸入総量は、12年以降、17万―18万キロリットル台と高水準で推移。月別ではボージョレ・ヌーヴォーが解禁される11月の輸入量が突出した格好。18年のボージョレ・ヌーヴォーの解禁日は11月15日。
日刊工業新聞2018年11月14日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
ボージョレ・ヌーボの輸入数量のピークは2000年代前半で100万ケースを越えていたようです。そう考えると一抹の寂しさも感じます。 

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