データを活用した“スマート酒造”、導入のメリットとは?

11月から実証実験スタート、センサーを活用して品質管理を徹底する

 権田酒造(埼玉県熊谷市、権田清志社長、048・532・3611)は、渡辺製作所(さいたま市桜区、渡辺伸治社長、048・856・0855)、NTT東日本埼玉支店と連携し、IoT(モノのインターネット)を活用した「スマート酒造」を構築する。清酒製造工程にセンサーを導入し、温度などのデータを「見える化」し、データを蓄積。作業効率は約30%向上する見込み。11月に本格的な実証実験を始める。

 今回の連携は、両社の後継者である権田直仁権田酒造専務と渡辺達郎渡辺製作所専務が主導した。渡辺製作所が開発した光ファイバー方式の「BOF温度センサ」とその装置「DWPR」を仕込み工程の二つのタンクに用いる。温度を24時間計測し、データはクラウド上で管理する。タブレットなどでも温度を確認でき、異常があればアラームで通知する。

 従来、杜氏(とうじ)ら3人が毎日朝夕2回、温度を計測しているが、センサーの設置により急激な温度変化にも素早く対応できる。IoT化により品質管理の徹底と働き方改革、伝統技術の伝承を図る。

 渡辺専務は「(当社のセンサーは)測定部分に電源がないため、漏電などがなく安全。最大で10キロメートル離れた距離を32カ所同時に計測できる」と話す。今回の実証を踏まえ、食品加工業界などへの拡販を目指す。

 埼玉県産業振興公社の「ものづくりIoT強化支援事業補助金」を活用。今回得たノウハウは、埼玉県酒造組合などにも広く公開する。権田専務は「伝統産業に最新技術を持ち込むのは大きなプラス効果。他の酒造会社とは水やコメ、磨き方などで競い合えれば」と話している。

日刊工業新聞2018年10月22日

  

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