博士後期で学費を企業が肩代わり、その条件とは?

北陸先端大が国内初の制度、就職が前提に

 北陸先端科学技術大学院大学は、産業界と連携した博士人材の育成制度を2019年度から開始する。企業が博士後期課程に進学する学生の学費などを1年間に約180万円程度、3年間継続で貸与して卒業後の就職を条件に返済を免除する。こうした制度は国内の大学では初という。

 現状、博士後期課程卒業後企業に就職する学生は3割程度だが、今後「5割以上の学生を産業界に送る」(浅野哲夫学長)ことを目指す。

 手続きの詳細は今後詰める。すでに20社程度の企業から同制度への賛同を得て、さらに賛同企業は募る。年内をめどに博士前期課程在学者を対象に説明会を開催する。

 北陸先端大は近年、日本人学生の博士後期課程への進学者数が減少傾向にあった。一般的な同課程卒業後の進路は研究所や大学などだが、多くの場合ポストが限られている。

 一方、就職でも博士人材の採用を実施している企業が少ない上、就職時に学位に合致する待遇が設けられていないことが大半。企業と連携することでこうした進路上の不安を軽減し、日本人学生の進学者増を進める。

 進学を希望する博士前期課程の学生と、博士人材の採用を計画する企業間でマッチングを図り、研究テーマや就職の意向などで合意した場合に育成制度が適用される。

 制度を利用する企業からは研究者らを客員教授として受け入れ、指導教員とともに学生を指導する。在学中から企業活動に近い研究活動に携わることで即戦力になる上、「企業の研究力を高める」(寺野稔副学長)こともできる。

 北陸先端大は、国内に2校しかない国立の先端科学技術大学院大学。10月1日現在、博士前期課程では815人、博士後期課程では343人が学ぶ。

日刊工業新聞2018年10月17日

  

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