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世界シェア5割を超えるTHKが動いた!ドコモとシスコと組むインパクト

LMガイドの故障予知、かゆいところに手が届くサービス提供
 THK、NTTドコモ、シスコシステムズは18日、直動部品の故障予知などが可能なIoT(モノのインターネット)サービスを来春にも始めると発表した。センサーやルーターを設置して電源を入れるだけで、複雑なネットワークを構築することなくサービスを利用できる。直動部品を組み込んでいる工場向けに展開する。既に検討を始めており、2019年2月に50社を対象に無償トライアルを実施する。

 18日に都内で会見したTHKの寺町崇史取締役専務執行役員は、協業で「(ネットワークを構築する)システムインテグレーターを介さずに利用できるサービスを目指した」という。中小製造業など専門のIT技術者がいない工場でも簡単に導入できると強調した。

 まずはTHKの直線案内部品「LMガイド」で展開する。THKは同部品に組み込んだセンサーとアンプをケーブルで接続。集めたデータを独自のソフトウエアで分析し、摩耗状況などを数値化する技術を開発した。同技術を基にアンプのデータをシスコのルーターなどに送り、データセンターで管理する仕組みを構築。ドコモは世界規模で安全なネットワークなどを提供する。

 販売価格やビジネスモデルは今後詰める。寺町取締役は世界シェア5割超とされるLMガイドで「当たり前に使われるサービスにしたい」と期待する。
日刊工業新聞2018年10月19 日
八子知礼
八子知礼 Yako Tomonori INDUSTRIAL-X 代表
 リニアモーションガイドという設備機器に複数多用される機構部品で世界シェア50%超を誇るTHKが動いた。インテグレーションレスで設備機械に後付けする考え方で同社製LMガイドの故障予知を行う"サービス"を提供予定というところがポイント。製品ではなくレトロフィット型のサービスモデルとすることでかゆいところに手が届く仕組みだ。あまり他社との協業を発表することのない同社がシスコシステムズ、ドコモと組んで本件を発表するのも異例のこと。50社の先行事例作りもさることながら、今後の展開に大いに期待したい。

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