東芝映像ソリュ社長が語る“中国流”経営改革「4カ月で黒字化」

東芝映像ソリューション・李文麗社長インタビュー

 東芝映像ソリューション(TVS、川崎市幸区、李文麗社長)が、経営再建に向けた取り組みを加速している。中国ハイセンスの傘下に入って半年。経営効率化やコスト削減策を着実に進めており、早期に経営を軌道に乗せて攻めに転じたい考えだ。陣頭指揮を執る李文麗社長に、経営改革やハイセンスとの相乗効果、今後の事業戦略などについて聞いた。

 ―3月の着任後、どのようなことに取り組んできましたか。
 「まずはコスト削減だ。TVSのサプライチェーンをハイセンスと統合したほか、比較的簡単な一部のソフトウエア開発を中国に移管した。外部委託している生産も一部をハイセンスに移した。テレビの出荷台数はTVSが年数十万台で、ハイセンスは同1800万台。規模のメリットを生かせる。経費のオンライン申請やKPI(重要業績評価指標)による評価制度など、管理システムの効率化も図っている」

 ―成果は出ていますか。
 「着任後、4カ月で営業黒字化を達成できた。従業員の努力のたまものだ。通期でも黒字転換を目指したい。これから改革すべき点も多い。ただし一気に変えようとは考えていない。適用期間を設け徐々に着手する」

 ―米中の貿易戦争が激しくなっています。
 「大きな影響はないが、ハイセンスグループの拠点活用の可能性など、いろいろな状況を想定して対策を考えなければならない」

 ―TVSの強みと課題は。
 「ブランド知名度や市場シェア、高い技術力と開発力は強みだ。ハイセンスのサプライチェーンとコスト競争力を組み合わせることで、より相乗効果を出せる。一方、TVSに限らないが、会社が大きくなることに伴う『大企業病』は課題だ。経営スピードを高め、率先して動けるような企業風土への転換を図りたい」

 ―12月に4K・8K実用放送が始まります。8K参入の考えは。
 「テレビで収益を出すには画質、音質、コンテンツ、ユーザビリティが重要だ。見たいものを、すぐにキレイに見られる製品などを提供していきたい。ただ日本で先行している8Kが、全世界で広がるかは疑問視している。新たな技術を広めるには市場ニーズが不可欠だ」

日刊工業新聞2018年10月12日

政年 佐貴惠

政年 佐貴惠
10月12日
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李社長が手がけた改革は、ぜい肉を落とす作業が中心だ。電機業界では、シャープも台湾の鴻海精密工業の下で再建を果たした。“中国流”の経営改革から学ぶことは多いだろう。一方、筋肉質な企業に仕立てた後は、成長戦略を描けるかがテーマになる。買収前に参入した人工知能(AI)スピーカーなど、テレビ以外の事業の行方も焦点となる。

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