テックビューロ解散へ、相次ぐ仮想通貨流出問題で規制どうなる?

 テックビューロ(大阪市西区)は、仮想通貨取引所「Zaif(ザイフ)」で発生した仮想通貨流出問題で、フィスコグループの仮想通貨交換業者と、交換事業を譲渡する契約を結んだ。流出した約45億円相当の顧客資産はフィスコが補填することも正式に決まった。テックビューロは株主総会を19日に開催、11月22日に事業譲渡を実行する。手続きが完了後、仮想通貨交換業の登録を廃止し、解散の手続きを行う予定だ。

 今回流出した仮想通貨は3種類。このうち「ビットコイン」「ビットコインキャッシュ」は消失した数量に相当する仮想通貨の調達を完了済み。出金をすることが可能となる見込み。一方「モナコイン」は市場流通量が乏しく、今回の消失した分量に相当する仮想通貨を市場から調達することが困難な状態で、1モナコイン=145円で補償する。10日午後5時にザイフでの取引中止を決めた。

 テックビューロは当初、フィスコと資本提携を検討する基本契約を結ぶと発表。フィスコは子会社を通し50億円の金融支援を行うほか、テックビューロの株式の過半数取得を目指していた。9月中に取りまとめるとしていた期日は延期となっていた。当初のスキームに変更は生じたが、顧客資産の保護という点で面目を保った格好だ。

 テックビューロは9月20日、外部からの不正アクセスにより、仮想通貨が流出したと発表。これを受け金融庁は同月25日、3回目となる業務改善命令を出した。不正流出の事実関係や原因追究、顧客被害の拡大防止などの対応策を書面で回答するよう求めていた。

 一方、仮想通貨取引所を引き継ぐフィスコの株価は急騰。前日の米国市場の急落を受けて、日経平均株価の下落幅が一時1000円超と急落する中、フィスコ株は前日比73円(24・7%)高の369円と大幅高を付ける場面もあった。

 金融庁は相次ぐ外部流出を受けて、仮想通貨の規制を議論している。その中で顧客資産の管理・保全の強化策について「仮に流出事案が生じた場合の対応があらかじめ明確であり、賠償原資の確保も重要」と指摘。仮想通貨交換業者に対し、流出させた場合の賠償方針の策定・公表、賠償を実行できる純資産額・安全資産の保持を求める必要性などを討議している。

 セキュリティー強化の観点から「交換業者から仮想通貨の管理業務を分離させ、専門機関で同業務を行うべきだ」との声も上がる。仮想通貨の健全な発展と利用者の保護のために規制の在り方が問われる。

日刊工業新聞2018年10月12日

  

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