海外の報道機関にも浸透し始めた…SNS投稿から事故や災害を抽出するAIサービス

スペクティ、海外売上高比率5割へ

 Spectee(スペクティ、東京都新宿区、村上建治郎社長兼最高経営責任者〈CEO〉、03・5315・4446)は、海外展開を強化する。独自AI(人工知能)を活用した報道機関向けサービスの事業ノウハウを、北米や欧州を中心に提案する。海外売上高比率を現状の10%から、今後2―3年内に50%へ高める。

 スペクティは、さらなる海外攻略に向け、米国に拠点を設けることを検討する。拠点新設により、営業強化や運営業務の効率化につなげ、北米や欧州の需要を取り込む。現在は国内外のサービス運営を主に東京本社で担っている。

 報道機関向けサービス「スペクティ」はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿された事故や災害の写真・動画を収集し、報道機関向けに提供する。ツイッターやフェイスブックなどの投稿を独自のAIで分析し、事故や災害情報を報道機関へいち早く届ける。2011年設立から提供を開始。新聞やテレビなどを中心に150社へ導入している。

 強みとするのは、SNSの膨大な書き込みから必要な情報を見つけ出すスピードと、そのファクトチェック(事実確認)。これらを支える独自のAIを武器に、16年から海外に進出した。

 同社が海外で存在感を高めるきっかけとなったのは、17年に米ラスベガスで発生した銃乱射事件だった。現場で撮影された映像を、提携先の米AP通信社がCNNやニューヨーク・タイムズなど、世界中の報道機関に素早く配信した。それ以降海外の報道機関でも採用が増え、現在は40カ国で約300社が導入。「海外でも『スペクティ』が浸透し始めている」(村上社長)と実感する。

日刊工業新聞2018年10月12日

葭本 隆太

葭本 隆太
10月12日
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スペクティは東日本大震災をきっかけに誕生したサービス。以前、お会いしたとき、村上CEOは東日本大震災当時のツイッターについて「被災地の状況が最もリアルに分かった。テレビやインターネットのニュースを見ても分からない情報があった。この情報を整理すれば、役に立つシステムが構築できると考えた」と振り返っておられました。国内ではすでに数多くの報道機関が導入しておりますが、海外での存在感も増しているようです。

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