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ねじ加工の切り粉の容量を大幅に減らせる新技術とは?

シチズンマシナリーが開発
ねじ加工の切り粉の容量を大幅に減らせる新技術とは?

(左から)従来の切削による切り粉、LFVによる切り粉

 シチズンマシナリー(長野県御代田町、中島圭一社長)は、自動旋盤のねじ切り加工で、切り粉の排出性を高める新技術を開発した。加工時に排出されるカール状の切り粉を細かく分断し、切り粉の容量を大幅に削減。工具や加工対象物(ワーク)の損傷を防ぎ、高精度加工に貢献する。2019年初頭に市場投入する。

 切り粉の排出性を高める独自技術「LFV(低周波振動切削)技術」の対象領域の一つとして提案する。同技術は長手方向(Z軸)への切削中に、切り込み方向(X軸)に上下振動させることで、切り粉を細かく分断。従来の加工と比べ、切り粉の容量を減らせる。

 加工部への切り粉の巻き込みや、ワーク・工具への接触も防げる。「切り粉が“悪さ”をするのを抑え、工具の長寿命化やワークの生産量の増加にも貢献できる」(中島社長)という。

 現在、LFV技術を搭載する自動旋盤全7機種に対応。「ねじ切り対応機能」として提案する。同機能の価格は160万円(消費税抜き)。また、LFV技術を導入済みの機械は、追加費用10万円(同、別途作業費)で同機能を採用できる。

 LFV技術は独自の制御技術により、切削方向に振動させることで、切削中に工具がワークに接触しない「空振り」する時間を設け、切り粉を分断する。現在、主力機種「シンコムL20」の販売の半分以上がLFV技術搭載機となるなど、高い評価を得ている。
「シンコム」でのねじ切り加工
日刊工業新聞2018年10月8日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
この技術は11月1日開幕の「日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」に出展するそうなので興味のある方はぜひ。

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