通信・IT企業の参入相次ぐキャッシュレス決済、メガ銀の勝ち筋は?

グループ内再編が加速

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三井住友FGは三井住友カードを完全子会社に(東京本社)
 メガバンクグループがキャッシュレス化の推進に向け、グループ内再編を加速している。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、2019年4月に三井住友カードを完全子会社化する。クレジットカード子会社をキャッシュレス戦略の中核に置き、異業種を交えた競争の主導権を確保する狙い。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)も17年に三菱UFJニコス(MUN)を完全子会社にした。キャッシュレス決済の本格普及を見据えた体制構築の動きが広がっている。

 三井住友FGはNTTドコモが34%を持つ三井住友カード株を買い取るとともに、三井住友FGのグループ会社でクレジットカードの発行や信販業務を手がけるセディナ(名古屋市中区)を三井住友カードの傘下に置く。両社は実質的に統合する形となり、三井住友FGのキャッシュレス事業の中心的な役割を担うことになる。

 環境変化の激しいキャッシュレス事業に適応するため、意思決定や財務を一本化して柔軟で迅速な事業体制を構築する。

 21年に両社の東京本社を江東区豊洲に移転・集約するほか、コールセンターや事務センターなどの統合も検討。収益・コストの両面でシナジーを追求する。両社合算の17年度のカード取扱高は約16兆円となり、競合で約14兆円のMUNを上回ることになる。

 MUFGは昨年10月にMUNを完全子会社化した。MUNはクレジットカードで蓄積してきた運用技術などをもとに、キャッシュレス決済のプラットフォーム(基盤)を担う。MUFGでは三菱UFJ銀行がデジタル通貨「MUFGコイン」を開発しており、MUNが決済の基幹システムを担う可能性もある。

 世界的にキャッシュレス化が進む半面、日本のキャッシュレス比率は約2割にとどまるのが実情。政府は「未来投資戦略2017」で、同比率を40%に引き上げる目標を掲げた。国内のキャッシュレス機運がにわかに高まる中、異業種も事業拡大を加速。現在、NTTドコモやソフトバンク、アマゾンジャパン(東京都目黒区)、LINEなどのプレーヤーがひしめき合う。

 その中でカード会社は「強固な決済インフラやセキュリティーシステム、消費者保護のノウハウを保有し、新たなキャッシュレス技術でも中心的な役割を担える」(業界関係者)のが強みだ。
(文=長塚崇寛)

日刊工業新聞2018年10月2日

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長塚崇寛
編集局ニュースセンター
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カード会社を軸としたグループの総合力が、キャッシュレスにおけるメガバンクグループの勝ち筋となりそうだ。

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