3大メガバンクが店舗改革に大ナタ

超低金利下で国内事業のコスト削減急務

 3メガバンクグループが国内業務の構造改革を加速する。三菱UFJ銀行は2023年度までに窓口で行員が接客する既存店舗を半減し、自動化などを取り入れた次世代店舗を増やす。インターネット上の取引拡大やキャッシュレス化の流れを受け他メガでも金融インフラを再構築する動きが活発化。超低金利下で国内事業のコスト削減が急務となる中、インフラ改革に大なたを振るう。

 「多様化する顧客ニーズを的確にとらえ、最適なチャネルを構築する」。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の平野信行社長は15日の決算発表で、23年度までに約515ある銀行の店舗数を約2割減らす計画を明らかにした。窓口で行員が接客する既存店舗を半減させつつ「MUFGネクスト」と銘打った窓口業務を自動化するセルフ型店舗や、信託銀行と証券会社との共同店舗を拡充する。次世代店舗への切り替えで全体の削減数は2割に留める。
 
 3メガバンクの来店者数は過去10年で4割減少する一方、ネットバンキングは5年で4割増えているという。MUFGは現在2割のネットバンク利用率を6割に高める考え。平野社長は「リアル店舗とバーチャル店舗を最適な形で組み合わせる」とした。

 超低金利が長期化し人口減少が進む中、大量の人員を抱え全国に店舗網を構える従来のインフラモデルは限界を迎えつつある。三井住友FGとみずほFGも、デジタル技術を導入した次世代店舗の整備に乗り出す。「顧客の行動変化を踏まえて、リアル店舗の見直しを進める」(国部毅三井住友FG社長)、「顧客への利便性向上を念頭にチャネル戦略を進める」(坂井辰史みずほFG社長)と、両社首脳も多様化する顧客との接点を増やす考えで一致している。

 店舗改革を進めるに当たり、18年3月期決算では構造改革費用も計上。MUFGは三菱UFJ銀行単体で、店舗改革と不採算店舗の減損処理に430億円の特別損失を計上した。三井住友FGも19年度に向けた店舗改革の費用として約250億円を計上。17年度は50億円を計上し、200億円は「18年度、19年度にかかる一部を前倒しで処理した」(国部社長)。みずほFGは17年度と18年度に店舗削減の費用を一部織り込み済みだが「(6月から始まる)新システムへの移行が完了したら本格的に処理する」(坂井社長)構え。

日刊工業新聞2018年5月18日

長塚 崇寛

長塚 崇寛
05月18日
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金融インフラ改革は各行に横たわる課題だ。3行は現金自動預払機(ATM)を共通化する検討も進めている。時代に合わせた最適なインフラの在り方を模索する半面、コンサルティングなどの対面業務は強化する方針。顧客との接点をどれだけ維持できるか。各行の手腕が試される。

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