住重クレーン、アジア重視の裏にある危機感

侮れない中国勢の台頭

 住友重機械建機クレーン(東京都台東区、横山昇吾社長、03・3845・1384)が、海外事業をテコ入れする。新興国向け機種を拡販するとともに、欧州には2019年以降に支店を設ける計画だ。クローラークレーンの世界需要が持ち直しつつあり、アジア市場が拡大しているものの、中国勢の台頭は侮れない。現状、国内需要に頼る状況だが、海外需要を獲得し、収益力の強化を目指す。

 「インドネシアとフィリピンが急激に伸びている」―。横山社長は事業説明会でアジア市場の変化をこう説明する。

 住友重機械建機クレーンのクローラークレーン需要予測によると、18年の世界需要は17年を上回り、アジアの市場規模は前年に比べて約5割増える見通し。一大市場のシンガポールに代理店を設けているが、各国での需要を狙った新興国向け機種を拡販する。インドもグループ会社との協業で攻略する。

 アジアを重視する背景には攻勢が目立つ中国勢への危機感がある。「(単純に)吊り上げることができればいいと思う事業者が(中国メーカーの)クレーンを買っている」(横山社長)という。価格競争に陥ることなくシェアを伸ばせる戦略が重要。旺盛な需要を取り込んで収益基盤の拡充につなげる。

 またオランダには19年以降に支店を設置する予定。ロシアに加えて、北欧にも新たに代理店を設けることを検討する。約3割の同社株式を持つ日立建機との関係も活用し、日立建機の欧州や中東の総代理店を通じて拡販する。

 住友重機械建機クレーンは売上高の約7割を国内事業が占めている。建設機械と同様にクレーンの需要変動も大きく、時期によっては海外売上高が半分以上だったが、現在は国内に偏っている収益構造の改善が課題といえる。

高まるクレーン需要に対応(名古屋工場)

(文=孝志勇輔)

日刊工業新聞2018年10月1日

日刊工業新聞 記者

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10月01日
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需要予測では18年の日本市場は17年を下回る見通し。19年度までの3カ年の中期経営計画で目指している営業利益率8%を17年度にすでに達成しているものの、海外事業を拡大して収益性を高めることが欠かせない。
(日刊工業新聞社・孝志勇輔)

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