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日立系とホンダの合弁会社、EV用モーターで新研究開発拠点

技術者などの新規採用も検討
日立系とホンダの合弁会社、EV用モーターで新研究開発拠点

日立オートモティブ電動機システムズ公式ページより

 日立オートモティブ電動機システムズ(茨城県ひたちなか市、山口登社長、029・276・7030)は、電気自動車(EV)など電動車用モーターの研究開発拠点を新設する。2019年4月の稼働予定。同社は電動車の普及を見据え、国内や中国、米国でモーターの生産を始める計画で、新拠点を置き研究開発面を強化する。モーター性能のほか生産技術や品質向上などの研究も手がけモーターの競争力を高める。

 日立オートモティブ電動機システムズは、日立オートモティブシステムズ(日立AMS)とホンダが出資して17年7月に設立した。主な業務は電動車への搭載に適したモーターの開発や製造販売。本社がある茨城県ひたちなか市の建物の一部を研究開発用に改修して活用する。拠点の新設に伴い、耐久試験棟も刷新するほか、技術者などの新規採用も検討する。総事業費は約100億円。これまでは本社内で研究開発を進めていた。

 モーターは電動車の基幹部品で、完成車メーカー各社が電動車開発を強化する中で需要が増している。ホンダなど完成車メーカーが採用するには、小型・高効率などモーターの性能やコスト競争力を高めることが不可欠になる。日立オートモティブ電動機システムズは研究開発体制を拡充し、こうしたニーズに対応する。

 生産面では、国内では19年度に茨城県ひたちなか市で生産を開始する計画。海外は17年11月に中国・広州市に新会社を設立しており20年度に車載モーターの生産を始める予定がある。今後米国でも生産する計画を打ち出している。主要各地域でモーターを供給できる体制を整える考えだ。
日刊工業新聞 2018年9月28日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
電動車へのシフトが計画される中、電池に次いで重要な部品であるモーターの研究を強化するとのこと。モーターは投資がかさむことに加え、少しの性能差が車両全体の性能に影響するため、両社の知見を持ち寄って研究開発を進展させる意義は大きいです。

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