シャープが創業間もない「スタートアップ」100社を支援するワケ

社員のモチベーション向上に期待

 シャープはベンチャー企業との連携を通じ、自社製品の開発を加速する。2019年4月までに、「スタートアップ企業」と呼ばれる創業数年のベンチャーの支援先を、現在の約4倍となる100社程度に拡大する。起業を支援するインキュベーション施設や、スタートアップ企業による製品の量産を後押しできる中小企業とも連携を深める。一連の支援は有償。シャープはスタートアップ企業と対等な立場で、社内外の知見を融合するオープンイノベーションを進める。

 シャープは、新たなビジネスモデルの開発や市場の開拓を進めるスタートアップ企業を支援することにより、シャープの社内を刺激して社員のモチベーションを高め、独自の製品開発につなげる狙い。外部のインキュベーション施設と連携を強化し、新たなスタートアップ企業に出会う機会を増やす。製品の量産化を検討するスタートアップ企業に対しては、地方自治体などの橋渡しによりシャープと関係を築いた中小が持つ工場などを活用した支援も進める。

 同社は台湾・鴻海精密工業の傘下に入った16年以来、スタートアップ企業を対象にした合宿形式の研修プログラム「モノづくりブートキャンプ」を開催している。研修内容は、設計・開発プロセスや品質管理など、シャープが培ってきた技術や知見が基盤。今後はその研修の一部を、外部のインキュベーション施設と連携して、短期の出前講座として全国各地で展開していく。

 出前講座は18年度中に計6回を計画する。第1弾として9月26、27の両日に大阪ガス系のインキュベーション施設、京都リサーチパーク(KRP、京都市下京区)で出前講座を開く。今後は東京や大阪などのインキュベーション施設でも出前講座を開き、シャープ本体が開いている合宿形式のモノづくりブートキャンプへの参加を促す。

 研修を受けた上で、製品の量産化を検討するスタートアップ企業に対しては、国内の中小の量産工場などを活用して支援する。現在、この取り組みに賛同して協力している中小は25社。賛同企業数を拡大し、スタートアップがつまづきやすい量産化段階の支援を充実させる。

日刊工業新聞 2018年9月20日

梶原 洵子

梶原 洵子
09月23日
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3Dプリンターなどの登場により、モノづくり系スタートアップ企業がプロトタイプを作成するハードルは低くなりました。その分、今はプロトタイプの次の量産試作や量産設計がスタートアップの「死の谷」と言われています。宇宙系ベンチャーのispaceも、部品調達先探しには苦労したそうです。スタートアップ企業はシャープの量産のノウハウを学び、シャープはスタートアップ企業の素早い研究開発サイクルを学べば、良い関係になるのではないでしょうか。

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