電話ボックス型のオフィス広がる?すきま時間を効率利用

ブイキューブや富士ゼロックス

 ブイキューブと富士ゼロックスの2社が、一風変わった電話ボックス型の1人用オフィスを展開している。中には、机やいす、電源コンセントなどの設備が揃い、1人で作業ができる環境になっている。1人で集中して仕事がしたい、移動中のすきま時間を有効に活用したいというビジネスマンのニーズに応えるもの。また「働き方改革」に基づいた新たな働き方を提案する狙いがある。実際にどう利用されているのか、担当者から話を聞いた。

約50社に導入


 ブイキューブが2017年8月から販売している「テレキューブ」は、大企業や外資系を中心に約50社に設置が進んでいる。個室の中の作業のため、情報漏えいを防ぐことができるという特徴を生かし、特に監査法人や人事部門など、同じ社内でも他部門には出せない情報を管理する部門に設置される傾向にあるという。監査法人は想定外のユーザーだったという。また、テレビ会議に1人で参加する際の場所としても使いやすい。

 内装は当初黒ベースだったが、圧迫感を感じるという利用者の声に応え、白ベースに改良をした。2人用も新しく発表し、少人数の会議や、学生同士の勉強スペースなど新たな使い方が見込まれる。

 高見耕平社長室長は、働き方改革を推進している自社の視点から、「今後ICTを使って仕事がしたいのに場所が確保できないテレワーク難民が増えると予測している。駅などの屋外に向けた設置も考えている」と、今後の展開について語った。

わざわざサテライトオフィスに


 富士ゼロックスは18年6月から、「サテライトオフィスサービス」の実証実験を行っている。東京メトロの溜池山王駅と北千住駅の駅構内の設置に加え、8月末から葛西駅と新宿野村ビル(東京都新宿区)にも配置した。ビジネス街、ターミナル駅、住宅街、オフィスビルという異なった目的の人が集まる所で、サテライトオフィスがどう機能するか調べる狙いがある。

 スマートフォンから予約し、到着すると電子錠をスマートフォンで開錠する。荒らしや居座りの心配があったが、そのようなことはなかった。当初予想と違い、わざわざサテライトオフィスを使うために来た利用者や読書や勉強に使う人、学生の利用もある。7月23日に開かれた「体感!テレワークフェスタ2018」で紹介すると、小池百合子東京都知事も関心を寄せていた。

 新成長事業創出部の丹野泰太郎SWI事業プロジェクトプロジェクトマネジャーは、「雑誌・テレビでの紹介や、YouTuberによるレビュー動画がアップされるなどの効果もあり、ファンは確実に増えている」と話した。予想を超える多くの利用がある。利用料は9月末まで無償。10月1日から15分当たり200円の有償とし、ビジネス性を検証する。実証実験は12月28日まで。

溜池山王駅に設置されたサテライトオフィス。スマートフォンで開錠できる。

ニュースイッチオリジナル

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
09月21日
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ありそうでなかったアイディアだと思いました。一人で集中して仕事がしたいという声が、こんなに直接的で分かりやすい形で実現しているのが面白かったです。ビジネスマンの利用を想定して作られたそうですが、学生の勉強場所としても需要が見込めそうだと感じました。幅広い層に知られるものになれば、それに伴って新しい使い方も生まれて、さらに面白いものになりそうな気がします。(明治大学2年・松岡沙耶香)

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