白熱電球のLED化、東京都の推進事業を加速させた新たな仕掛け

店頭で省エネアドバイスを受けた上で無償交付

  • 0
  • 1
ビックカメラ有楽町店のLED電球無償交付コーナー
 東京都が環境負荷の低減を目指し、白熱電球を省エネルギー性能の高い発光ダイオード(LED)に無償交換する照明のLED化推進事業が好調だ。7月9日まで実施した第1次LED電球交換事業では、最終的に36万個超が交換されたもよう。8月に始まった第2次事業では、持ち込み1個に付き1個無償交付するなど新たな仕組みとした結果、実施期間の2019年3月末よりも早く予算消化する勢いだ。最新の事業状況を追った。

 LED化推進の柱の一つ「家庭におけるLED省エネムーブメント促進事業」は、都が17年度予算に原資15億円を出えん金として東京都環境公社に拠出し、17年7月から実施中。都内の地域家電販売店1000社強が加盟する東京都電機商業組合(東京都文京区)では半数の約540店が当初から参加。18年3月からはヤマダ電機やビックカメラなどの大手家電量販8社も加わり、第1次とほぼ同じ956店規模で展開している。

 当初、都は年間100万個の交換目標を掲げるも、「使える電球との交換はもったいないというのと、周知不足もあって進まなかった」(環境局地球環境エネルギー部)。現在は目標設定せず、1人でも多くの都民への交付に努める。持ち込む電球は電球型蛍光灯を加え、切れた電球でも可とした。交付は口金サイズE―26型だけでなく小型のE―17型も追加。前回交換した人も1人1回、店頭で省エネアドバイスを受けた上で無償交付する。

 交換した白熱電球を店側が回収していた以前と比べ、参加協力店側の負担も軽くなった。東京都電機商業組合理事長でもある京王電業社(東京都渋谷区)の福田勝則社長は「顧客に要する時間も15分程度に半減した」と話す。得意先を中心にDM発送や訪問販促をかけたことも奏功し、「第2次が始まって1カ月弱だが第1次とほぼ同じ1500個ぐらい交付した。好調な滑り出しだ」(福田社長)という。ただ、本業の商売にはつながらず、悩ましいところもある。

 独自に工夫する店もある。ビックカメラ有楽町店では交付を求めて来た客に次回、追加で購入してもらうため割引クーポンを渡している。「LEDに手を出せなかった人には無料でもらえる良いチャンス」(家電コーナー担当)としている。
(文=大塚久美)

日刊工業新聞2018年9月17日

COMMENT

12年から「あかり交換活動」の一環で浅草・仲見世商店街の店舗軒先ちょうちん用に150個のLED電球を寄贈したパナソニック。約5年経過した18年6月11日に7個を無作為回収して点検したところ、実使用環境でも定格に対し想定以上の明るさを維持、品質の高さを実証したと8月に発表した。このことからも、長寿命と省エネ性に優れたLED電球を使わない手はないだろう。 (日刊工業新聞社・大塚久美)

関連する記事はこちら

特集