邪魔者扱いしないで…電柱がIoT時代に果たす役割

カメラ設置で新サービスなど

 景観を損ねる存在として、邪魔者扱いされることが多い電柱。地中化の推進が叫ばれて久しいが、いまだ市中に多数ある電柱を有効活用しない手はない。送配電という本来の用途に加え、地番表示を兼ねた広告媒体、街路灯や交通標識・信号の支柱代わりといった使い方は日常風景だ。さらにIoT(モノのインターネット)時代を迎え、情報インフラとしての活用も進みつつある。

 関西電力は2017年9月、サーバー機能があるネットワークカメラの映像をクラウドコンピューティングで蓄積・管理する技術を持つセーフィー(東京都品川区)と資本・業務提携した。関電の通信網を通じた各種センサーからの情報とともに、電柱などに設置したネットワークカメラの映像をビッグデータの一つとして取り込み、データ解析により顧客の暮らしに役立つ新サービスを創出する狙いだ。

 セーフィーのクラウドサービスは、画像解析機能を備えているのが特徴。関電はサービスイメージとして顔認証システムと連携した地域防犯、避難行動を促す河川増水時のリアルタイム映像提供、交通量調査の自動化などを挙げている。

 中部電力とインターネットイニシアティブ(IIJ)は8月上旬、静岡県磐田市および袋井市で情報通信技術(ICT)によって稲作を支援する実証実験を始めた。水田に水位・水温を計測するセンサーと遠隔制御できる給水弁、周辺の電柱に気象センサーとウェブカメラ、無線基地局を設置。営農者は無線基地局に集約されたセンサーのデータをパソコンなどで把握し、必要に応じカメラで状況を確認して給水弁を操作できる。実証実験の規模は両市合わせて水田74ヘクタール。20年3月末まで実施する。
(文=青柳一弘)

日刊工業新聞2018年9月11日

日刊工業新聞 記者

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09月11日
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中部電は社外の知見やアイデアを生かすオープンイノベーションの一環で17年度、電柱活用をテーマにした「スマートポールプロジェクト」のパートナー企業を募った。省力化で稲作の大規模化も実現する「ICT水管理システム」を開発していたIIJがこれに応募し、両社による実証実験が始動した。
(日刊工業新聞社・青柳一弘)

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