創業150年超の老舗蔵元がベトナムの日本料理店を支援した理由

月の井酒造店

 茨城県の銘酒「月の井」などの蔵元、月の井酒造店(茨城県大洗町、坂本敬子社長、029・266・2168)は、ベトナムの日本料理店に対する支援を行っている。同店舗では、月の井や常陸牛など茨城県産品をはじめとしたメード・イン・ジャパンを提供する。

 坂本社長が2016年に茨城県の海外展開助成金と中小企業庁の「ふるさと名物応援事業補助金(JAPANブランド育成支援事業)」を利用したベトナム視察会に参加し、マイリン・イェンさんと出会った。イェンさんは当時、カフェ5店舗、ベトナム料理と日本食折衷の居酒屋2店舗を経営していた。坂本社長は「会席料理店を始めたいので日本の店を見学したい」と相談を持ちかけられた。

 「彼女が振る舞ってくれた和食は、とても和食と呼べるものではなかった。でも、彼女なりに調べ、真剣に取り組んでいたので正しく教えようと思った」と坂本社長。自社の酒蔵見学をアレンジし、着物の買い付けで東京・日本橋にも同行した。椿山荘(東京都文京区)に頼み、おもてなし研修の機会もつくり、親交のあった都内の料理人や店舗運営の専門家などに指導・協力を願った。

 イェンさんは17年に入ってからの各3カ月程度の指導で、ハノイ市に「Kimono Elegance Restaurant」を、ホーチミン市に「YEN Sushi Premium」をオープンした。坂本社長は「ベトナム人のスピード感に良い刺激を受けた人も多かった」という。
(文=高橋沙世子)
 

日刊工業新聞2018年9月6日

日刊工業新聞 記者

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09月07日
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月の井酒造店は創業150年超の老舗だが、それまで輸出経験はあまりなかった。イェンさんへの支援を機に輸出は継続しており、坂本社長は定期的に「研修やチェック」でベトナムを訪れている。
(日刊工業新聞社茨城支局・高橋沙世子)

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