IT人材大量不足に備えろ!アマゾン系と楽天が学生教育を強化

独自プログラムの提供に乗り出した

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クラウド教育プログラムの戦略を紹介する長崎AWSジャパン社長
 IT業界の深刻な人材不足などを背景に、大手IT企業が教育機関向けに独自プログラムの提供に乗り出した。アマゾンウェブサービスジャパン(東京都品川区)は、2019年4月に専門学校2校が同社の教育プログラムを導入する。楽天は高校生向けに電子商取引(EC)の実践授業を始めた。IT業界への就職に有利な技術や知識を身に付けてもらうほか、地域経済の活性化にもつなげていく。

 「日本全国でニーズがあるのは間違いない」―。アマゾンウェブサービスジャパンの長崎忠雄社長はこう強調する。同社は大学や専門学校向けに、対面型でのクラウド教育プログラム「AWSアカデミー」を提案している。同社の提供するクラウドサービス「アマゾンウェブサービス(AWS)」の使い方やサービス内容、料金体系などを授業のカリキュラムに組み込む。学生はIT業界で必要となるクラウド関連の知識を身に付けられる。最終的にはIT業界で広く認知されるAWS認定の資格試験の合格を目指す。

 同アカデミーに加盟すると、加盟校の教員はAWSアカデミーを実施するためのカリキュラムを受講。講師認定されたのち、授業を実施できる。すでに大学や専門学校など複数校から引き合いがあり、4月から麻生情報ビジネス専門学校の福岡校(福岡市博多区)など2校で開講する。

 アマゾンウェブサービスジャパンは、すでにインターネット上でAWSクラウドを学べる独自教材を用意しており、国内で21の教育機関に採用されている。今回対面型のプログラムも提供することで、IT人材育成の幅を広げる。

自社のIT人材を学校に派遣し、地域活性化につなげる動きもある。楽天は08年からECビジネスを高校生に教える「楽天IT学校」を開催していた。楽天が教育課程の策定や教材作成、講師の派遣を担当。楽天とパートナー企業から講師を派遣し、高校生に実践的なECスキルを教育した。

 ECは場所を選ばず地方の魅力的な商材をアピールできるため、地域活性化にも有効な手段。地域経済を支える担い手を育成し、地域経済の活性化につなげる狙いだ。18年度からは「楽天 ITスクールネクスト」と名称を変え、楽天のサービスを活用して地域の課題解決につなげるプログラムを展開していく。
(文=大城蕗子)

日刊工業新聞2018年9月3日

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経済産業省によると、30年には約60万人のIT人材が不足する。今後は、教育機関とIT企業が連携した独自プログラムでの人材育成がますます重要となりそうだ。 (日刊工業新聞社・大城蕗子)

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