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キリンがギネス販売で勝負の一手、価格攻勢と「泡のショータイム」

9月以降の販売で前期比2割増目指す
キリンがギネス販売で勝負の一手、価格攻勢と「泡のショータイム」

「泡のショータイム」をLEDコースターで楽しめる

 キリンビールは国内販売権を持つ黒ビール「ドラフトギネス」を8月上旬の出荷分からリニューアルし、これを機に販売を強化する。ギネスの特徴である「泡」をPRするため、グラスに注いだ時に泡が滝のように流れて見える「サージング(泡立ち)」を楽しめるプロモーションを展開する。価格を1割弱値下げし、9月以降の販売で、前年同期比約2割増の拡販を目指す。

 パッケージはギネスの象徴とされるハープを上質感のある赤みを強めたゴールドカラーに変更。裏面に創始者のアーサー・ギネス氏のサインを描いた。さらに消費税込みの価格は1缶(330ミリリットル)が314円程度になっているが1割弱引き下げ、需要を喚起する。

 ギネスの特徴は缶内に浮かぶ白い球体カプセルによりきめ細かい泡が立つこと。注いだ時にグラスの中に泡の滝が流れるようなサージングが約2分間続く。これを販促キャンペーンでは「泡のショータイム」と名付けてPRしていく。

 飲食店向けでは客の目の前でショータイムが楽しめるように、グラスの下から照明を当てる発光ダイオード(LED)コースターと約2分を計測できる砂時計を用意。また、9月21日からの「泡のショータイム体験キャンペーン」では、会員制交流サイト(SNS)にギネスの泡を楽しんでいる写真を投稿すると、抽選で500人にギネス4本とLEDコースターなどをセットにした体験キットをプレゼントする。

 ギネスの17年の販売は前年比約7%減の25万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と低迷。キリンはリニューアルを機に本格的にテコ入れする。
日刊工業新聞2018年8月20日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
SNS映えを狙ったPR活動が広がっていますね。

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