「世界の名画」8Kで克明に表現、シャープとNHKがタッグを組んだ

教育機関などに提案

 シャープはNHKと、次世代の画像技術「8K」で協業する。絵画を肉眼で見るよりも克明に表示できるシステムを開発した。2018年度内をめどに事業化し、教育機関などへ提案を始める。フルハイビジョン(HD)の100倍以上の解像度を持つ世界の名画を撮影したデータを活用。大画面の業務用8Kモニターに拡大して表示すると、小さすぎて肉眼では見えない、地球儀に記された国名などの細部や人が馬を引いている様子(写真下)が分かる。作者の意図や時代背景の推測に役立つ。

 シャープとNHK子会社のNHKエデュケーショナル(東京都渋谷区)が協力して、小中学校や美術大学などの教育機関に提案する。70インチ以上の8Kモニターとタブレット端末などをセットにして提供。タブレットをタッチ操作し、モニターの画像を拡大したり縮小したりできる。モニターの想定価格は約800万円(消費税抜き)と高価。そのため、教育現場で利用しやすいよう、名画などの情報配信と機器を月額料金制のリース契約にする。

 「ルネサンス」や「新古典主義」「ロマン主義」「印象派」といった西洋美術の名画30作品以上が対象。16世紀の名画「バベルの塔」では、人が火をたく姿や荷物を運ぶ姿などを克明に表示。旧約聖書に登場するバベルの塔を考察する材料になる。同じく16世紀の作品「大使たち」では、地球儀に書かれた、肉眼では見えない国名を映す。16世紀は欧州諸国が新たな航路や大陸を発見した大航海時代。地図が重要だったことがうかがえる。

 両社は今後、同システムを昆虫や植物に応用。生物を拡大して見ると、人の顔のように個体差があることなどを観察できるという。

 シャープは21年3月期の8K関連の売上高目標を3000億円に設定している。8Kテレビの販売だけでなく、こうした業務用モニターを使ったサービスも順次増やしていく。

日刊工業新聞2018年8月15日

葭本 隆太

葭本 隆太
08月18日
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今年12月には「4K」「8K」の実用放送が始まります。8Kの事業化との面では、「放送」よりも記事に掲載の分野などでの利用が先行して広がるのでしょうか。

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