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「普及はメディアの役割」フジテレビがSDGsのレギュラー番組

CSRから提案、初めての試み
「普及はメディアの役割」フジテレビがSDGsのレギュラー番組

番組

 フジテレビはSDGs(持続可能な開発目標)をテーマとした番組「フューチャーランナーズ~17の未来~」を放送している。日曜17時25分からの関東ローカル放送だが、SDGsのレギュラー番組は世界初という。社内のCSRチームからの提案をきっかけに制作した。

 初回の7月1日、カメラが二十歳の水族館館長を追った。飼育する生き物のほとんどは保護した絶滅危惧種。生き残った生物を見つけようとスポイトをのぞく視線に、海の生態系を守りたい館長の熱意が凝縮されていた。

 SDGsの目標14(海の生態系)につながるが、2分間強の映像にSDGsの説明はほぼない。
担当した編成局の野﨑理さんは「汗をかき、未来に向けて奮闘する人の姿を伝えたい。SDGsを知らない人にもなるほどと思ってもらえる内容を目指し毎回、多様な人を紹介する」という。

 番組を発案したCSR推進プロジェクトチームは普段、お台場の清掃、出前授業など本業と離れた活動が多い。CSR側からの番組提案は初めてだったが「SDGsを広めるのがメディアの役割」と社内から異論は出ず、営業、編成が動きだした。

 「新しい試みだったが前向きに取り組めた。部署をまたがりチームでできて良かったと強く感じている」と、充実した仕事を振り返る野﨑さんの声が弾む。

 SDGsには何か行動を起こしたいと思わせるものがある。SDGsが軸になると自社の社会的役割を再認識でき、社内の結束も確認できる。番組は9月末までの放送予定。
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
「SDGsはこういうモノだ」と偉そうに解説する番組ではありません。ビジネスの話題でもないので、難しい言葉も出てきません。番組がつくられたプロセスにも共感しました。番組も知ってほしいです。

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