働き方改革を加速するオフィス作りの新発想

オカムラや戸田建設などが推進

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オカムラは働き方改革を社内で実践し、顧客への提案につなげる
 働き方改革の加速で、新たなオフィス作りを模索する動きが加速している。情報通信技術(ICT)を駆使した働き方のデータ化やキャンプ用テントの設置など、従来ではなかった技術や発想をオフィス作りに生かす。長時間労働の是正など、トップダウンの制度改革だけでなく、社員一人ひとりが問題意識を持って自発的に働き、自由な発想を生み出す空間作りが、各社の根底に流れるコンセプトになっている。

 4月に社名を変更したオカムラ。初めて出展した働き方改革に関する展示会では、商品であるオフィス家具を一切展示せず、自社の働き方改革の取り組みをパネル展示でアピールした。同社は働き方改革を「WiL―BE(ウィル・ビー)」と名付けるなど、力を入れている。社員がいきいきと働き、思い描く生活の実現を目指す。単なる制度運用にとどまらず、社員自らが課題意識を持って取り組む、ボトムアップがコンセプトの一つだ。東京では働き方改革を実践するため、「考動」「考率」「考創」「健考」をテーマにしたラボオフィスを展開し、実験と検証を繰り返す。

 働き方改革を進めながら、顧客へ働き方改革や空間作りの場を提案。オフィス家具のメーカーとして、まず、空間作りの場の提供にこだわる。同社にとって、率先して働き方改革に注力することは、ビジネスにもつながる。

 戸田建設は本社の建て替えに合わせ、11月以降に順次移転する仮移転先の三つのビルで、新たなオフィス空間の設計や働き方を試行する。約1200人の社員を対象にセンシング調査を実施。勤務時間中にビーコンを着用させ、部門間の交流度合いや、オフィスのスペース利用状況などのデータを集積し、働き方を可視化する。ICTを活用し、同社が目指す「自己発働型社員」の育成に適した環境を構築。その成果を2023年度に完成予定の新本社ビルの設計や働き方の実現に生かす。

 東京急行電鉄とスノーピーク子会社のスノーピークビジネスソリューションズ(愛知県岡崎市)は、東京・渋谷にアウトドアオフィスを常設。東急の複合商業施設「渋谷キャスト」にある緑地空間を生かし、キャンプ用テントによるオフィス環境を提供する。試行期間を経て、料金を確定し、8月から法人向けサービスを始める。緑に囲まれた屋外のテントオフィスから斬新なアイデアが生まれることなどをアピールし、新たな働き方を模索する企業に提案する。

日刊工業新聞2018年7月24日

COMMENT

働き方改革は経営側の一方的な制度設計だけでは、社員の働き方を本当の意味で変えることは難しい。改革を進める企業も、関連した商品やサービスを提供する企業も、従来の発想にとらわれず、働く人の視点に立つということが重要となりそうだ。 (日刊工業新聞社・高島里沙)

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