TDKが3年で最大3500億円の研究開発費、何に使うの?

CATLの技術も応用、センサー・二次電池強化

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怒濤の買収から一転、オーガニック成長へ
 TDKは2021年3月期までの3年間で、約3300億―3500億円を研究開発に投じる。過去3年間と比べて20%増の規模になる。センサーや二次電池など事業の抜本的な強化が狙い。M&A(合併・買収)や事業構成の転換が一巡したため、内部資源を活用した成長に向けて研究開発投資を拡大する。自動車向けセンサーのほか、車載用電池最大手の中国コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー(CATL)の技術を応用した大出力型二次電池の開発に充てる。

 開発費を重点配分する分野は多数のM&Aを実施したセンサー事業。約600億―800億円を研究開発に投じる。買収で得た複数のセンサーを組み合わせたシステムを構築できるかがカギを握る。センサー事業は、生産面では既存工場や外部委託先を活用することで設備投資を抑制できる一方で、システムとして確立する必要があるため研究開発段階の作り込みが不可欠。利幅の大きい新製品を開発して利益の創出に力を注ぐ。

TDKの主な開発拠点

 二次電池は香港子会社アンプレックス・テクノロジー(ATL)の研究開発を強化する。共同で基礎研究を続けていたCATLと、17年度からライセンスや技術の供与契約を締結。CATLの「急速放電技術」や「出力維持技術」などを応用した研究を始める。具体的には車や産業機械向け蓄電池を手がけるCATLのノウハウを得て、既存のスマートフォンに加えて2輪車や家庭用蓄電池の分野を開拓する。21年3月期までに大型電池を製品化し、動力として利用される電池市場に参入する。

 TDKは21年3月期に売上高1兆6500億円、営業利益は1650億円超を目指す中期経営計画を掲げる。同社は地域拠点ごとに異なる多様な製品・技術を研究開発したことで競争力を確保してきた。そのため、同業の電子部品メーカーの中でも研究開発費は10%程度高い。

日刊工業新聞2018年7月24日

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現行の中計ではこれまでのM&A中心から技術開発力の底上げに軸足を移し、競争力の維持・向上を狙う。

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