日英政府、航空機分野で連携へ

エンジン修理や材料開発など

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ロールス・ロイスのエンジンを搭載したANAのB787
 日本と英国の両政府が航空機産業の活性化に向けて協力関係を強化する方向で最終調整に入った。航空機用ジェットエンジンの修理・整備(MRO)技術や先端材料開発などを対象に、民間企業や大学の協業を後押しするのが柱。三菱重工業、全日本空輸(ANA)、英ロールス・ロイスなどが参画する見通し。旺盛な旅客需要を背景に航空機産業の持続成長が期待される中、官民連携で両国企業の競争力を高める。今後、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)でも協力の維持を確認する見込みだ。

 2017年8月の日英首脳会談の合意に基づき、経済産業省と英ビジネス・エネルギー・産業戦略省が結んだ「日英産業政策対話」における航空機分野の協力テーマが固まった。日本は日系企業が参画する形でのMRO技術に関する日英連携や熱交換器・降着装置の協力プロジェクトの継続を提案する方針だ。

 このほか3Dプリンターを活用した積層造形や設計・製造のデジタル化に向けた情報交換、アジアのサプライチェーン構築などでの連携を確認する見通し。具体的には三菱重工グループの三菱重工航空エンジン(愛知県小牧市)と世界三大航空機エンジンメーカーであるロールス・ロイスの関係強化が今後の焦点になる。

 三菱重工航空エンジンはロールス・ロイスのリスク・シェアリング・パートナーとして、米ボーイング「787」向けエンジン「トレント1000」などの国際共同開発に参画している。ロールス・ロイスが自社で手がけている高付加価値のMRO事業にも参画できるかが検討課題になる。

日刊工業新聞2018年7月19日

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 今回の合意とは直接関係ないが、日系企業のMROへの参画が実現すれば、現在進められている「トレント1000」の安全性確保に向けた整備、改修などにも貢献する公算が大きい。コスト低減にもつながる見込み。ロールス・ロイスとは川崎重工業や住友精密工業なども航空機エンジン開発でパートナーシップを築いている。住友精密とロールス・ロイスの熱交換器開発では日本政府とEUがそれぞれ支援しているとみられる。次世代技術開発を含め、英政府に対してブレグジット後も協力維持を要請する見込みだ。 (日刊工業新聞・鈴木真央)

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