「沖縄 産業の島へ#04」好調な沖縄観光、魅力を磨く

日刊工業新聞社那覇支局開設記念特集より

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那覇市中心部の観光名所「国際通り屋台村」

年間通した魅力「旬香周島」提案


 夏のイメージが強い沖縄だが、年間を通じた沖縄の魅力を発信することで、観光客数の平準化にも取り組んでいる。OCVBでは「旬香周島(しゅんかしゅうとう)」を掲げて集客を実施。例えば、夏場は家族旅行や学生の夏休み向け、秋は日差しが和らぐことから「女子旅」をアピール。シニア世代には冬場をすすめるほか、春には卒業旅行や親子孫の3世代旅行を提案している。

 さらに映画ロケの積極的誘致によるロケ地めぐりでの誘客や、スポーツ合宿、また会議や報奨旅行などによるMICE、リゾートウエディングなどメニューは幅広い。

 特にリゾートウエディングは増加傾向にある。沖縄県によれば2014年度は前年比約1割増の約1万2000組が実施し、過去最高の数字だった。日本人だけでなく香港、台湾、中国から訪れる客もいる。沖縄の風景を生かして写真撮影する「フォトウエディング」も特徴だという。

 ブライダル事業を運営するエスクリは、7月上旬に北谷町に沖縄県内1店舗目の結婚式場を完成した。那覇市中心部から車で約40分の距離というアクセスの良さが強み。県外や海外客だけでなく地元カップルのニーズも取り込む「三毛作」(岩本博会長兼社長)を狙う。

 北谷町の野国昌春町長は「ウエディングの地として盛り上がってくれたらいい。インバウンドは写真を撮って終わりという人も多いが、滞在してくれればうれしい」と期待した。

那覇空港に第2滑走路


 四方を海に囲まれた沖縄にとって、空路の重要性は他地域以上に高い。さらなる入域者の増加を見込む中で、那覇空港の第2滑走路の完成は沖縄の産業振興に直結するものだ。

 新設工事が進む滑走路は現在の滑走路から西側に1310メートル離れた海上にできる。6工区に分けて工事が進められており、一部工区では土砂を埋めるために外周を締め切る護岸工事が完了。引き続き、その他の工区で護岸工事を進めるとともに順次、埋め立て作業にも入る。19年12月に完工、20年3月末に供用開始の予定だ。

 発着回数は18万5000回に増えるとされている。観光客の輸送だけでなく、今後増大が期待される貨物においても滑走路の完成が待たれる。

 またモノレールの延伸工事も進んでいるほか、県内への鉄軌道導入の検討もあり、沖縄の交通インフラは充実する方向にある。

(おわり)

日刊工業新聞2015年07月15日 特集「沖縄 産業の島へ」より抜粋

COMMENT

三苫能徳
西部支社
記者

 人が外部から(県外でも国外でも)たくさん来るということは、流入人口に見合ったインフラが必要。それはホテルや空港といった観光インフラだけではなく、電力や水道といった生活インフラも含めて。沖縄ではダムも整備され、電力も余力があるので大丈夫のようですが、一般的な話で言えば、「人をたくさん呼んできたけど対応できませんでした」では次のお客さんは見込めない。観光で地域おこしをするのも簡単にはいきませんね。

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