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打倒アマゾン!楽天市場が配送網やスマホ決済拡充

技術開発と投資を加速
打倒アマゾン!楽天市場が配送網やスマホ決済拡充

会見する三木谷会長兼社長

 楽天は17日、都内で事業戦略発表会を開き電子商取引サイト「楽天市場」の機能を拡充すると発表した。全店舗が利用者と即時に短文でやりとりするチャットボット機能を9月に搭載。今後は音声入力で商品注文できるスマートフォン向けアプリケーション(応用ソフト)も開発する。また2019年内に千葉県と大阪府に計二つの物流拠点を設け配送網を拡充する。利用者の利便性向上と楽天市場の流通額拡大に向けて技術開発と投資を加速する。

 チャットボット機能は楽天市場の全出店店舗が9月までに搭載する。三木谷浩史会長兼社長は「利用者のニーズに合わせた細やかな接客が可能になる」と説明。今後は英語や中国語にも対応する計画だ。

 決済方法も充実させる。11月中に全店舗でスマホを使った決済サービス「楽天ペイ」に対応させる。現在は約半数の店舗が対応するが、顧客の決済手段を「楽天ペイ」に統一させる狙いだ。また物流網拡充により、20年までに全店舗の荷物を楽天が集荷・発送する物流サービスを始める。
 
 楽天はEC市場で米アマゾンと火花を散らす。楽天の三木谷会長兼社長は「我々は店舗に技術プラットフォームを提供し、アマゾンと戦っていく」と決意を示した。
日刊工業新聞2018年7月18日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
楽天市場では商品の保管から配送までの物流サービスの提供体制を拡充する「ワンデリバリー」構想を掲げています。具体的には物流拠点を拡充し、各拠点では省人化・自動化の倉庫機器の導入や、楽天の購買データやAI技術の活用による受注予測などによる最適な在庫配置を進める計画。これにより、配送スピードの向上や倉庫作業コストと配送コストの削減などにつなげるとのことです。今回発表した物流拠点の新設は2カ所で既存施設と合わせて5カ所となりますが、三木谷会長兼社長は10カ所まで拡大する方針を示しており、今後の動向が注目されます。

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