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国内を走る自動車の燃費、7年で12%も改善

HVの増加や燃焼効率の向上が貢献
国内を走る自動車の燃費、7年で12%も改善

トヨタが2018年1月に発売したPHV「プリウスPHV」特別仕様車

 国内を走る自動車の燃費改善が続いている。国土交通省の調査によると、ガソリンを使う車全体の2017年度の燃費は1リットル当たり12・0キロメートルとなり、調査を始めた10年度の10・7キロメートルから約12%改善した。電気モーターを併用するハイブリッド車(HV)の増加やガソリンエンジンの燃焼効率の向上、軽量化といった技術進歩が背景にある。

 17年度の燃費は、毎月約9600の自動車保有者を対象に実際の走行距離や燃料消費などを調べ、旧式車や商用車も含め推計値を算出した。一定の条件下で計測するカタログの燃費とは異なり、実際の燃料消費量に近いとみられる。

 17年度の乗用車の車種別の燃費は、HVが16・5キロメートル(10年度は16・3キロメートル)で、軽自動車が14・1キロメートル(同12・6キロメートル)だった。小型車は11・9キロメートル(同11・3キロメートル)で、普通車は9・0キロメートル(同8・3キロメートル)。HVの数値はほぼ横ばいだが、台数増加で全体の燃費改善に貢献している。

 カタログの燃費を見ると、近年はトヨタ自動車のHV「プリウス」のように40キロメートル超の車種も登場し、30キロメートル台の軽も相次いでいる。新型車への入れ替えが進めば、燃費はさらに改善しそうだ。今後は電気自動車(EV)の増加も見込まれており、減少傾向のガソリン需要が一段と低下する可能性がある。
日刊工業新聞2018年7月16日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
本文中にもありますが、“国内を走る自動車”の燃費ということで燃費改善の要因としてはHV車の普及の影響が大きそうです。

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